研究課題/領域番号 |
21K00544
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02070:日本語学関連
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研究機関 | 富山大学 |
研究代表者 |
小助川 貞次 富山大学, 人文学部, 名誉教授 (20201486)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 漢籍訓点資料 / 漢文文献読解 / 加点概要 / 書誌情報 / 漢字文化圏 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、日本語による漢籍訓読の初期の様相を示す唐鈔本古文尚書(東洋文庫蔵)と唐鈔本漢書楊雄伝(京都国立博物館蔵)を対象として、漢文本文に書き加えられている複雑な加点内容を精密に記述した電子化テキストを作成し、その上で原本の状態を忠実に再現できる釈文(解読文)ファイルと国際的な比較研究に通用する構造化ファイルを試作し、漢字文化圏における漢文文献読解の基層構造を具体的に解明しようとするものである。
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研究実績の概要 |
当初の研究計画にしたがいながら、本年度は(1)唐鈔本古文尚書(東洋文庫蔵)に関する継続研究と(2)唐鈔本漢書楊雄伝(京都国立博物館蔵)に関する新規研究を行い、さらに(3)唐鈔本に関する知見を深めるために石川武美記念図書館成簣堂文庫に所蔵される周礼鄭注に関する研究を行った。 (1)唐鈔本古文尚書(東洋文庫蔵)は、前年度研究の[A]「既存の手書き資料の補正」と[B]「漢文本文の精密な電子化処理」について、より精密な資料とするために再点検を行い、[C]「書込・加点内容の精密な電子化処理」に関する問題点の検討を行った。 (2)唐鈔本漢書楊雄伝(京都国立博物館蔵)は、[A]「既存の手書き資料の補正」については、申請者が作成した既存の紙媒体の手書き資料(解読文)を対象に、近時公刊された『国宝漢書楊雄伝第五十七』(勉誠出版、2019)および同書解題執筆用の電子画像を用いて補正作業を実施した。なお原本熟覧は新型コロナウイルス感染拡大のために実施していない。また[B]「漢文本文の精密な電子化処理」については、補正した手書き資料[A]と複製資料・電子画像を比較しながら、慎重にテキストファイルを作成した。なお[C]「書込・加点内容の精密な電子化処理」については、補正した手書き資料[A]と複製資料・電子画像を比較しながら、[B]で作成したテキストファイルに追記処理を行うための検討に留まった。 (3)さらに、これら二文献が唐鈔本であることから、唐鈔本に関する知見を深めるために唐鈔本の可能性のある周礼鄭注(石川武美記念図書館成簣堂文庫蔵)について原本熟覧調査を行い、その可能性について新たな知見を得た。 以上の研究過程で得られた成果について、学会発表2件(国内1件、海外1件)、国内雑誌論文2本、海外図書1本において公表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
唐鈔本古文尚書(東洋文庫蔵)、唐鈔本漢書楊雄伝(京都国立博物館蔵)のいずれについても、[C]「書込・加点内容の精密な電子化処理」の部分が未完了である。
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今後の研究の推進方策 |
最終年度は前年度までに完了できなかった唐鈔本古文尚書(東洋文庫蔵)、唐鈔本漢書楊雄伝(京都国立博物館蔵)それぞれの[C]「書込・加点内容の精密な電子化処理」について完了を目指すとともに、日本以外の地域における唐鈔本や加点資料の伝流とそれらの精密記述の実態を探るために若干の海外調査を行い、計画全体の完成を期す。
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