研究課題/領域番号 |
21K00545
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02070:日本語学関連
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研究機関 | 福井大学 |
研究代表者 |
高山 善行 福井大学, 学術研究院教育・人文社会系部門(教員養成), 教授 (90206897)
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研究分担者 |
西 耕生 愛媛大学, 法文学部, 教授 (30259452)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 文法史 / 疑問文 / 中古語 / 係り結び / 終助詞 / モダリティ |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、中古語疑問文の構成要素(疑問詞、係助詞、モダリティ形式、終助詞)の配列に基づく記述の枠組みを提示する。中古語和文作品を資料として、疑問文を抽出し、それらを構成要素の配列パターンで類型化する。次に、それらを対象として、統語論的、意味論的、語用論的観点から記述分析をおこなう。 本研究で構築するデータは、文法史研究のみならず広く言語研究に資するものを目指している。また、表現解釈や本文研究など、古典文学の研究にも有用なものとなる。 なお、本研究の研究期間は2021年度~2024年度の4年間である。研究代表者及び研究分担者(1名)で行うものである。
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研究実績の概要 |
今年度は、研究期間(4年間)の3年目にあたる。前年度に引き続き、用例の調査分析によるデータ作成、そのデータを対象とした文献調査、理論面、実証面の検討を行った。 今年度は、『源氏物語』を資料としてデータ作成、分析をおこなった。研究分担者との協議のうえで、同作品から「若紫」「手習」に限定して、用例調査、分析をおこなうこととした。年度前半で、「若紫」の調査分析、後半で「手習」を記述する。 昨年度までは、コロナ禍の影響を受けて研究活動に制約があり、対面会議、文献調査が自由に出来なかったが、ようやく研究打ち合わせ会議が対面で実施でき、国会図書館関西館での文献調査も行うことができた。それらの活動により、新しい事実の掘り起こしやこれまでの研究の改善点を発見することができたと考えている。 また、研究が進んできたので、研究成果を少しずつ公表することができた。本研究の記述法の理論面については、既に論文として、「中古語疑問文の体系的研究に向けて―構成要素配列に基づく記述法」(『愛文』(愛媛国語国文学会)第58号~で公表したが、疑問文と感嘆文の連続性については、中日理論言語学研究会のシンポジウムで口頭発表をおこなった。さらに、一昨年度の成果である『落窪物語』を資料とした記述分析については、論文としてまとめ、『日本語文法史研究7』に投稿している。 以上、研究実績の概要について報告した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
3月末までに『源氏物語』(手習巻)の分析を終える予定であったが、年度末の公務多忙のため、分析終了には至っていない。ただし、研究計画では遅れが生じた場合について想定しており、それを実行することになるが、来年度前半(概ね7月末まで)の期間で回復に努め、遅れを解消できる見込みである。
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究の推進方策としては、以下の2点が考えられる。 第一に、これまでの研究成果をまとめる作業である。来年度が最終年度であるから、当初の計画どおり、研究成果報告書として成果をまとめる予定である。これは主に来年度後半の仕事である。 第二に、研究成果の情報発信である。これまでにも、論文、研究会での発表をおこなっているが、さらにアウトプットを続けていきたい。本研究の発想、アイデアが少しでも言語研究に貢献できればと考えている。
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