研究課題/領域番号 |
21K00546
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02070:日本語学関連
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
山田 敏弘 岐阜大学, 教育学部, 教授 (90298315)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2024年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2023年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2022年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2021年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
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キーワード | 岐阜県方言談話 / 指定辞 / 方言調査の検証 / 方言談話資料 / 岐阜県 / 昭和40年代 / 岐阜県方言 / 談話資料 |
研究開始時の研究の概要 |
方言は、全国各地で変容しつつある。わずか50年前とは言え、その話し言葉の変容は大きなものがある。伝統的俚言の消失・変容もそうだが、終助詞や接続助詞の用法も変わっていっている。平成29年に改訂された中学校学習指導要領で、方言の伝承が取り上げられたが、このデータの今後の教育への応用も考えつつ整備をしておくことは、現代に生きる方言研究者の責務であると信じ、整備していく。
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研究実績の概要 |
R5年度も、岐阜県図書館所蔵の『美濃飛騨古老の聞き書き』の書き起こしを引き続き行ったが、この資料に含まれる昭和40年代の話者の著作権処理は相変わらず進展がなかった。このような状況下で、著作権処理を経てあらたに作成する談話資料を刊行物にもっていけるめどが立たないため、あくまで談話資料は公表するのではなく、基礎資料として統計的に処理をするか、個人名などの出ない範囲で例文を引用するなど、限定的な活用方法を模索した。その結果、すでに持続の「ヨル」に関してR4年度に刊行した論考「岐阜県方言談話資料に見られる回想の「ヨル」」(『岐阜大学教育学部研究報告人文科学』71巻1号、2022年)のような手法として活用ができることがわかったため、R5年度も、論文に引用する例文バンク資料として『美濃飛騨古老の聞き書き』の書き起こしを引き続き行い整備に取り組んだ。 一方で、すでに刊行されている談話資料として、郡上市明宝の『奥美濃よもやま話』を活用した方言談話の分析を精力的に行った。この『奥美濃よもやま話』は、昭和時代に録音された資料を元にして、文末表現まで忠実に書き起こされたことが確認されている方言談話資料であり、今年度は、この資料を電子テクスト化することで資料化した。その結果、国立国語研究所の『日本言語地図』でこの地域に存在するとされた指定辞「だ」について、それが特異な話者による特別な回答によるものであることを証明するなど、談話資料から既存の方言調査結果の検証が可能となる手法を編み出した。この成果は、「岐阜県方言談話資料に見られる指定辞」として『岐阜大学教育学部研究報告人文科学』72巻1号、2023年)にまとめ発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
所属する岐阜大学の副学長を兼任することとなったR4年度とR5年度は、談話資料作成にかけられる時間も非常に限られた。特に岐阜大学は、東海国立大学機構となり会議が2倍必要となったこともあり、大学の正式な勤務時間内でできる仕事としては、授業と大学運営で時間が占められ、ほぼ研究を十分に行なう時間を確保することは難しい状態となった。そのため、業務報告書には挙げられない個人の時間を使っての談話資料作成を、自己研鑽として少しずつ行なったが、作成した資料は分量として大きなボリュームとはならなかった。 しかし、パソコンに向かって談話資料を作成する代わりに、思索した結果としての論考を刊行することはできたため、「やや遅れている」とした。
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今後の研究の推進方策 |
大学運営に携わることを辞め研究と教育に専心できる環境を作ることで、R6年度はより科研のしごとに邁進していく。 具体的方法としては、①音声資料である『美濃飛騨古老の聞き書き』を引き続き書き起こすことで、分析しやすい基礎資料を作成していく、②郡上市明宝の『奥美濃よもやま話』については、方言で語られて註もない箇所も多いため、臨地調査を定期的に行ない分析していく、③新たに、岐阜県西部の談話資料として、揖斐郡池田町の戦争体験を話した談話資料から、著作権許可を得ながら書き起こし資料を作成していく。以上の3点を精力的に行なう。その上で、なんらかの成果刊行物を上梓することを目指す。
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