研究課題/領域番号 |
21K00552
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02070:日本語学関連
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研究機関 | 東京大学 (2022) 大学共同利用機関法人人間文化研究機構国立国語研究所 (2021) |
研究代表者 |
近藤 明日子 東京大学, 大学院人文社会系研究科(文学部), 助教 (30425722)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 近代語 / 実用文 / 通時的変化 / コーパス / 文体 / 一人称代名詞 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、明治・大正期に実用文において口語体が萌芽し定着にいたるまでの変化の実態を、コーパスを資料として実証的に明らかにすることを目的とする。そのために必要な口語体実用文のコーパスデータを構築し、既存の明治・大正期の書き言葉の大規模コーパスと一体利用して、明治・大正期の口語体実用文と、さらに口語体実用文の成立に影響を与えたとされる同時期の文語体実用文を計量的に分析し、両者の分析結果の比較を通して、口語体実用文の成立過程を明らかにする。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、明治・大正期に実用文(論説文・報道文等の非文芸ジャンルの文章)において口語体が萌芽し定着にいたるまでの変化の実態を、コーパスを資料として実証的に明らかにすることである。その達成のため2022年度は次の4点を実施した。 1. コーパス化の十分進んでいない明治10年代後半から20年代前半までの口語体実用文のコーパスデータを構築するため、以下のことを行った。(1)『国民之友』1889(明治22)~1890(明治23)年刊行分から口語体記事を選定しテキストの電子化を行う。(2)2021年度にテキストの電子化を行った『東洋学芸雑誌』の口語体記事について、XMLによるアノテーションを行う。 2. 2021年度に学会で発表した『日本語歴史コーパス 明治・大正編Ⅲ明治初期口語資料』を使用した一人称代名詞の使用実態の研究内容に加筆訂正し、論文にまとめ発表した。 3. 同時代の口語体実用文について幅広く見渡すため、『日本語歴史コーパス 明治・大正編Ⅴ新聞』を使用して、明治・大正期の『読売新聞』の文体について分析・考察した。その結果、(1)1875・1881年は口語体の割合が非常に高いのに対し、1887年になると逆に文語体がほとんどを占め、以後、読者層および記事内容の変化に対応しつつ、文語体は減少し、1925年にはすべて口語体となるという通時的変化が見られる、(2)各年代の読者層や記事内容にそって文体が変化し、語種率・品詞率の変化もおおむねそれに起因する、等を明らかにした。この結果は論文として発表した。 4. 国内シンポジウムにおいて本研究で構築中のコーパスデータについて紹介した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コーパスデータ作成について、作業補助を依頼する適任者が十分に得られず、作業進捗に遅れが生じた。
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今後の研究の推進方策 |
コーパスデータは、XMLによるアノテーション完了後、形態素解析を行い、その結果をデータベースに格納する。 そのデータに基づき、口語体実用文の通時的変化を明らかにするための分析を行い、その結果を学会発表し、論文執筆の準備を行う
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