研究課題/領域番号 |
21K00559
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02070:日本語学関連
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研究機関 | 椙山女学園大学 |
研究代表者 |
村井 宏栄 椙山女学園大学, 国際コミュニケーション学部, 准教授 (40610770)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2022年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
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キーワード | 『色葉字類抄』 / 日本語辞書史 / 二巻本 / 三巻本 / 注記 / 見出し / イロハ引き / 色葉字類抄 / 注文 / 字類抄系諸本 / 辞書史 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究課題は中世イロハ引き日本語辞書文献を対象に、見出し項目と注文内項目の出入り現象を分析することで、12~15世紀の日本語辞書構造および諸本生成原理、さらにかかる辞書構造を保証する日本語書記体系の特質を明らかにしようとするものである。具体的には、最古のイロハ引き日本語辞書である『色葉字類抄』を中心とした字類抄系諸本(いわゆる原形本『色葉字類抄』・『節用文字』・二巻本『世俗字類抄』・二巻本『色葉字類抄』・三巻本『色葉字類抄』)を取り上げ、諸本展開における見出し項目の統合/分割化現象を全数的に調査し、中世イロハ引き辞書の見出し項目/注記の関係についての一般的傾向と個別的特徴とを追究解明していく。
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研究成果の概要 |
中世イロハ引き日本語辞書においては、多く見出し項目と注文内の情報の出入り現象が見られる。本研究課題においては、この両者を分析した結果、次の結論を得た。すなわち、二巻本『色葉字類抄』と三巻本『色葉字類抄』を比較すると、三巻本で注記格納されているものが圧倒的に多く、三巻本は字種や構成要素に共通性を持つものを中心に注記格納していること、注記格納されることで情報内容が相違しうるものが生じていること、さらに二巻本では前接見出しの一部に対する情報であっても見出し化される場合があることを指摘した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
現代の国語辞典とは異なり、多くの中世イロハ引き日本語辞書においては、見出したる漢字表記と、その直下に割り注形式で多く語形を示す片仮名注記(いわゆる和訓)及びその他の注文の合計によって構成される。当該辞書群は、項目の連続によって構成される。諸本生成の過程において、ある本で見出しであった情報が別本では注記内に格納される現象は広く見られるが、この現象に着目した研究は多くはなかった。本研究ではこの注記格納現象に注目することにより、各異本間の見出し生成のシステムや成立の前後関係の推定、また、そもそもの見出し掲出システムが未解明である点も浮かび上がった。
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