研究課題/領域番号 |
21K00563
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02070:日本語学関連
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研究機関 | 大学共同利用機関法人人間文化研究機構国立国語研究所 |
研究代表者 |
飛田 良文 大学共同利用機関法人人間文化研究機構国立国語研究所, 大学共同利用機関等の部局等, 名誉所員 (40000418)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 外来語 / 近代語 / 小説 / 表記 / 使用例 / 原語 / 変化 |
研究開始時の研究の概要 |
明治・大正・昭和の文学100作品について、データベースはほぼ完成しているが、統計、分析、研究には、未だデータベースが不完全であるため、手をつけることができていない。近代外来語史を俯瞰するためにも、研究を続ける必要がある。
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研究実績の概要 |
2023年度は、昭和戦後の文学作品における外来語の調査・考察をする上で必要なデータベースの作成を行なった。基本となるデータの入力はほぼ終っていたが、一部データの破損が起こったため、再入力を行なうなどの作業が加わった。また、入力済みのデータの確認校正を行なった。データ作成には、当該時期に発行された文学作品の中で、できるだけ作者と発行年が重ならないものを選んだ。作品から外来語を含んだ用例文を抽出し、それぞれの用例文に使われた語形の「見出し語」と並び替えや検索に必要な「大見出し」に、該当ページと行を入力し、原語、原語つづり、語種、語構成などの調査事項を記入した。原語については、「外来語」という意味づけから、どの国から日本にもたらされたかで判断し、その語が誕生した国とはしていない。 昭和戦後期の文学作品には、明治・大正~昭和戦前期よりも多くの外来語が登場し、日常生活に外来語が浸透している様子がわかる。特に父母に対して「パパ」「ママ」という呼びかけが定着している(有吉佐和子『恍惚の人』参照)。戦後になってから使われる言葉もあり、原語の特定などに時間を要している。表記では、現代仮名遣いや旧仮名遣いが見られるほか、原語自体でも複合語の「テープレコーダー」と「テープ・レコーダー」のように「・(中黒)」の有無といった、時代や作家による表記の揺れが見られ、戦後期の特徴といえる。そのため大見出しや空見出しの立て方に留意が必要となる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
理由 外来語用例集のためのデータ入力を進めているが、途中で一部データの破損が出るなど、再入力を行った。原語、原語つづり、語種(和製外来語・固有名詞など)、語構成などの情報入力も進めた。ただ、外来語か外国語か、あるいは使われている外来語としては同音でも、オランダ語由来なのか、英語由来なのかなど、原語の判断に困難なものがある。これには、経由地や時代などの背景を調査して推測する方法をとっている。しかし、第二次世界大戦終了までは、世界中にヨーロッパの植民地があり、現地の語なのか、宗主国の語なの か、判別が難しいものがあり、資料を確認する必要から時間をとっている。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度は、昭和戦後の文学作品における外来語の調査・考察をする上で必要なデータベースの作成を行なった。基本となるデータの入力はほぼ終っていたが、一部データの破損があり、再入力を行った。また、それらデータの確認校正を行った。データ作成には、当該時期に発行された文学作品の中で、できるだけ作者と発行年が重ならないものを選んだ。作品から外来語を含んだ用例文を抽出し、それぞれの用例文に使われた語形の「見出し語」と並び替えや検索に必要な「大見出し」に、該当ページと行を入力し、原語、原語つづり、語種、語構成などの調査事項を記入した。原語については、「外来語」という意味づけから、どの国から日本にもたらされたかで判断し、その語が誕生した国とはしていない。 昭和戦後期の文学作品には、明治・大正~昭和戦前期よりも多くの外来語が登場し、日常生活に外来語が浸透している様子がわかる。特に父母に対して「パパ」「ママ」という呼びかけが定着している(有吉佐和子『恍惚の人』参照)。戦後になってから使われる言葉もあり、原語の特定などに時間を要している。表記では、現代仮名遣いや旧仮名遣いが見られるほか、原語自体でも複合語の「テープレコーダー」と「テープ・レコーダー」のように「・(中黒)」の有無といった、時代や作家による表記の揺れが見られ、戦後期の特徴といえる。そのため大見出しや空見出しの立て方に留意が必要となる。
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