研究課題/領域番号 |
21K00568
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02080:英語学関連
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研究機関 | 東北大学 (2022-2023) 福井大学 (2021) |
研究代表者 |
中村 太一 東北大学, 文学研究科, 准教授 (00613275)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2024年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 標示付けアルゴリズム / インターフェイス / 形式と意味のミスマッチ / 生成文法 / 極小主義プログラム / 標示付アルゴリズム |
研究開始時の研究の概要 |
近年、構造構築から標示(label)を分離しようとする考えに基づく研究が成果を挙げている。この背後には、標示は言語機能とインターフェイスを形成する感覚運動と概念意図システムが構造を解釈する時まで不要であるとする考えがある(Chomsky (2013, 2015))。この考えの下では、標示は両システムによって構造が解釈を受けるまでに決定されれば良く、同一の構造に両システムで異なる標示が決定される可能性も導かれるが、この可能性への検討はほとんど行われていない。本研究は、当該可能性を形式(音)と意味の間のミスマッチの観点から追求し、その理論的・経験的意義について詳細に検討するものである。
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研究実績の概要 |
本研究は、言語機能とインターフェイスを形成する感覚運動システムと概念・意図システムが統語対象を解釈するために必要であると考えられている標示について、形態(音)と意味の間でミスマッチが生じていると考えられる現象の解明を通して、両システムとのインターフェイスにおいて同一の構造に異なる方法で標示が決定・付与される可能性を追求するものである。3年目である今年度は、音と意味の間にミスマッチが生じていると考えられる現象として、日本語のSyntactic Amalgam構文と日本語の間接疑問縮約におけるwh残余句と先行文中の対応句との間の格のミスマッチを取り上げ両インターフェイスでの標示のあり方・決定の仕方を考察した。なお、これらの考察はどちらも共同研究(継続中)の一部として行ったものである。日本語のSyntactic Amalgam構文については、Amalgam表現とそれを選択する動詞との間に見られる範疇と意味選択のミスマッチに対して、英語のSyntactic Amalgam構文に対する先行研究を援用し、音形を持たない名詞表現の投射を仮定することで、その投射に与えられる標示によりミスマッチが解消されることを明らかとした。日本語の間接疑問縮約におけるwh残余句と先行文中の対応句との間の格のミスマッチについては、まずwh残余句と対応句の間で自由に格のミスマッチが許されるのではなく、特定の組み合わせの下でのみミスマッチが可能であることを明らかにした。また、この事実に対し、格認可・交替が統語上での移動により行われるとする提案の下で、削除に課せられる同一性条件に基づいた説明が可能であることがわかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画通りに進んでいる。現在は、今年度に得られた成果を研究発表や論文の形で発表するための準備を進めている。
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今後の研究の推進方策 |
形式と意味のミスマッチが生じる原因として、移動のコピーを含むゼロ要素の存在、削除操作が適用されている可能性等も考慮に入れ、感覚運動システムと概念・意図システムとのインターフェイスでどのように標示が決定・付与されているのか明らかにする。
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