研究課題/領域番号 |
21K00569
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02080:英語学関連
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研究機関 | 大阪教育大学 |
研究代表者 |
松本 マスミ 大阪教育大学, 教育学部, 教授 (10209653)
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研究分担者 |
向井 康比己 大阪教育大学, 教育学部, 名誉教授 (30110795)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2023年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | ヒト / 植物 / 言語 / 園芸動詞 / 連結動詞 / 遺伝子 / 染色体 / 生活環 / 三層分裂動詞句 / 園芸書 / 球根 / 一年草 / 生物学 / 統語論 / 意味論 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では植物の生物学的特徴とヒトの認識の間の「ずれ」が言語表現にも反映していることを、生物学的見地を導入しながら、英語の植物表現を用いて明らかにする。生成文法の枠組みで、植物を記述する動詞である「園芸動詞」などを含む英語表現について、統語的・意味的・形態論的に分析し、反語彙主義に立脚した三層分裂動詞句構造の精緻化と展開を行う。生物学、植物学、生物言語学の知見を取り入れることによって、言語をより広い視野により研究することができ、新しい生物言語学の分野を開拓することができる。同時に、本研究の成果により「無生物主語」の新しい説明方法が可能となり、英語教育に貢献することができる。
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研究実績の概要 |
本研究では、植物の生物学的特徴とヒトの認識の間の「ずれ」が、言語表現にも反映していることを生物学的な見地を導入しながら、英語の植物表現を用いて明らかにすることを試みた。松本は、分担研究者の向井名誉教授から定期的にレクチャーを受け、植物学、 生物学の知識を増やした。一方、松本もこの研究における言語学における専門的内容を向井教授に解説した。 松本 (2017)で提案した「ヒトと植物との生物学的・言語学的特徴」の修正を提案し、生物学的特徴として感覚、反応を加えた。球根についての英語の園芸書を分析し、一年草の園芸動詞と球根の園芸動詞を比較し、ヒトの両者に対する認識の違いが園芸書に反映されていることを指摘した。Barbieri et al. (2022)による遺伝子と言語の分類との関連性について考察し、生成文法の知見を活用すると、普遍文法との整合性など具体的な言語特徴とゲノムDNA情報などの関連性の研究へと拡張する可能性があることを指摘した。 さらに、日本語の連結動詞の構造分析の共同研究により、Fong et al. (2023)でForm Copyを用いて項構造と統語構造を分析することができた。 向井は、植物学の基本図書Botanyを中心に、植物の生活環における動詞を中心とした英語表現の解析を行った。また、染色体の研究の学際的な研究への展開の可能性(Mukai (2023))について様々な側面から発表した。特に、染色体の進化について10個のパターンを提案した。 松本は、向井が提案した10個のパターンが、言語の構造における基本操作である併合(merge)のパターンと並行的であることを発見し、言語における実例と照らし合わせて、現在研究発表の準備を行っている。上記の項構造と統語構造の知見も交えて言語学と生物学の学際的な研究成果が得られつつあるといえる。
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