研究課題/領域番号 |
21K00596
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02090:日本語教育関連
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研究機関 | 横浜国立大学 |
研究代表者 |
河野 俊之 横浜国立大学, 教育学部, 教授 (60269769)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2024年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 日本語指導が必要な児童 / 音声 / 産出 / 知覚 / 教材 |
研究開始時の研究の概要 |
CLD児の音声及びその習得に関する課題について,1)まず,単音,特殊拍,アクセント,イントネーションの実態を明らかにする。2)その知見に基づき,従来の指導方法や教材を参考にしながら,効果的な指導方法を設計する。3)設計した指導方法の検証を行い,改善し,それをより効果的にする教材を作成する。4)それらを教師養成,教師研修に取り入れる。
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研究実績の概要 |
2つの小学校において、パイロット調査を行った。日本語指導が必要な児童と日本語のみを母語とする児童の特殊拍の産出と知覚の能力を測定した。 産出については、「書く」と「話す」の両方を測定した。それにより、日本語指導が必要な児童と日本語のみを母語とする児童ともに、「話す」についてはあまり誤用が見られなかった。また、日本語のみを母語とする児童も産出のうち、「書く」については誤用が見られたが、学年が上がるにしたがって、急激に誤用が減少することがわかった。一方、日本語指導が必要な児童の場合、「書く」については比較的誤用が残る傾向が見られた。。特に、「話す」について誤用がない語についても「書く」については誤用があることも多かった。 また、合成音声を用いた実験で、知覚については、無意味語では、日本語指導が必要な児童は日本語のみを母語とする児童と比べ、範疇知覚ができていないことが分かった。また、日本語のみを母語とする児童は有意味語について既知語のほうが未知語よりも正しく知覚できていた。日本語指導が必要な児童についてもその傾向があることから、ミニマルペアを中心とした音声のみを用いたトレーニングだけでなく、語彙量を増やしていく学習の中で表記を学んでいく方法が効果的なのではないかと考えている。 今後は同様の調査を成人の日本語学習者にも行い、それらを比較することによって、より効果的な教育方法を考えていく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
やや遅れている。調査がパイロット調査にとどまっていること、研究論文まで至っていない。昨年度までのコロナ禍により、学校現場での調査が制限されていたことが主な原因である。今後、大規模な調査を精力的に進めていきたい。なお、受け入れ校の承諾は得ている。
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今後の研究の推進方策 |
パイロット調査を行った受け入れ校で本格的な調査に移行する。児童の語彙力については、DLAを用いる。 成人の日本語学習者への調査は日本語学校で行う予定で、これについても受け入れ校の承諾を得ている。 これらの研究成果について、研究発表を行い、論文を執筆する。
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