研究課題/領域番号 |
21K00602
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02090:日本語教育関連
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研究機関 | 駿河台大学 |
研究代表者 |
八木 真奈美 駿河台大学, グローバル教育センター, 教授 (20579164)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
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キーワード | 質的研究 / 方法論 / リフレクシブ(reflexive) / ナラティブ / 存在論 / 認識論 / リフレクシブ / エスノグラフィー / reflexivity |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、日本語教育研究分野における、質的研究を行う研究者を対象とするナラティブ研究である。質的研究は「事物を意味の観点から理解ないし解釈しようとする」研究であるが、この研究プロセスにおける他者の理解は、鏡としての自己の理解であり、リフレクシブに自己を捉える必要がある。そこで、本研究では他者の理解と自己の理解のリフレクシブな往還のプロセスを明らかにし、研究者にとっての研究の意味を問う。
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研究実績の概要 |
研究計画に沿って2022年度についても以下の3段階で研究を進めた。 (1)質的研究の全体像を把握するための国内外の質的研究に関する文献調査及び日本語教育研究における質的研究の類型化:文献調査においては、引き続き、日本語教育研究における主要な学術雑誌に掲載されている論文を対象に研究方法論による類型化を進めた。2022年度は2021年度分までの論文の調査が終了した。その調査結果について2022年5月の日本語教育学会春季大会において成果を発表した。 (2)質的研究のプロセスを明らかにするための研究者を対象とするナラティブ調査の実施:研究のプロセスを明らかにするためのナラティブ調査は2件終了した。そのうち1件について調査データの分析・考察を終え、2023年1月にEuropean Congress of Qualitative Inquiryにおいて成果を発表した。また、上記ナラティブ調査における「研究者」と「研究協力者」という関係性を批判的に見直し、この調査後、新たな研究の方法として、デュオエスノグラフィーを採用した。この方法では、研究者も研究参加者の一人として研究を進めるため、共同研究として新たな調査を開始した。このうち、一部のデータの分析・考察を終え、3月に言語文化教育研究学会において成果を発表した。 (3)上記2点を踏まえた質的研究ガイドの作成:国内外の質的研究に関する文献調査を踏まえ、ガイドブックの作成を進めた。また、研究カフェ(質的研究会)を継続し、2022年4月と10月に公開研究会を開催した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
(1)については、日本語教育研究全体の方法論の分類へ調査範囲を拡大したため、方法論全体の類型化は進んだが、質的研究方法の類型化は2023年度以降の調査となる。 (2)については、先行した調査の結果から、調査方法の見直しを行ったため、新たな調査の計画・着手に時間がかかった。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度は、(1)質的研究方法の類型化、(2)新たな調査方法による調査の実施、(3)ガイドブックの執筆を進める。(1)については、日本語教育研究における最新の論文を含めた類型化の更新、並びに質的研究方法の類型化を終了させる。(2)については、デュオエスノグラフィーなど、新たな調査方法による調査を実施し、結果の分析・考察を進める。(3)については、上記(1)と(2)において拡大した調査結果も含めた上で、執筆を進める。
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