研究課題/領域番号 |
21K00609
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02090:日本語教育関連
|
研究機関 | 中央大学 |
研究代表者 |
尹 智鉉 中央大学, 文学部, 教授 (40434352)
|
研究分担者 |
藤本 かおる 武蔵野大学, グローバル学部, 准教授 (20781355)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
|
キーワード | 活動理論 / オンライン授業 / 教師コミュニティー / 学習環境デザイン / ICT利活用 / 教員養成 / 学習過程・学習成果 / ICT / 越境的学習 / ハイフレックスモデル / ハイブリッド型授業 / 実地調査 / 参与観察 / フォーカスグループインタビュー |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は,ICT(Information and Communication Technology)活用に立脚した「越境的学習(cross-boundary learning)」の可能性をハイフレックスモデルに基づいて検証していくことである。主な研究課題は以下の3つである。(1)ICTを活用した越境的学習における促進要因と阻害要因を分析する。(2)語学教育を中心に,日本の高等教育機関におけるハイフレックスモデル授業・教育活動に関する現状分析を行う。(3)1と2の結果から,ハイフレックスモデルに基づく日本語教育の越境的学習環境デザインを行い,実装する。
|
研究実績の概要 |
2022年度は、初年度に実施した調査結果(文献調査、聞き取り調査、実地調査)の分析を進めながら研究成果の報告・発信を中心に研究活動を展開した。分析の枠組みとして援用したのはエンゲストロームの活動理論における主体/対象/コミュニティーの側面である。 まず、〈主体〉への考察結果は、日本教育工学会2022年秋季全国大会(第41回)で報告した(尹・藤本2022)。この結果から、本研究課題がめざす「ハイフレックス・モデルに基づく新しい教育実践パラダイムの開発」に資する多くの知見が得られた。一方、異なる〈主体〉へのさらなる調査・分析が必要である点も明らかになった。 次に〈対象〉については、主に二つの研究活動を実施した。(1)ハイフレックス授業モデルのなかで多くの制約・限界があると認識されやすい「非同期型学習場面」に焦点をあて、学び手の学習過程と学習成果のデータを定量的に分析した。研究成果は、e-Learning教育学会第21回研究大会で報告している(尹2023)。(2)本研究課題がめざしている「汎用的でかつ持続可能なICT活用の日本語教育モデルの実装」を検討するため、新たな体制での共同研究を開始した。ここでの議論を踏まえ、日本語教育学会2022年度秋季大会においてパネルディスカッションを実施した(高橋・保坂・藤本・尹2022)。他に、大学日本語教員養成課程研究協議会の2022年度秋季大会シンポジウムにおいても話題提供を行った。 最後に〈コミュニティー〉の部分に関する調査結果は、教師を対象とした越境的学習環境デザインを実践研究(尹・小川・寺田2022)としてまとめ、韓国日語教育学会第41回学術大会で報告した。さらに、関連する理論考察の一部成果は、分担執筆者として担当した書籍において「オンライン日本語教育を担う人材育成」(尹2022)の論考の一部として紹介している。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度に実施した調査結果(文献調査、聞き取り調査、実地調査)を時間をかけて分析できたことで研究成果を発信し、多様な観点や立場からのフィードバックが得られた。その結果、日本語教育現場でのICT利活用に関するミクロな視点とマクロな視点の往還が必要かつ重要である点が浮き彫りになり、より包括的な視点に立脚した次の研究課題の方向性も見出すことができた。
|
今後の研究の推進方策 |
これまでの調査・分析ではまだ十分検討できていない「多様な教育主体」と「学習者特性」に対する示唆を得るため、関連する文献調査・聞き取り調査・実地調査を展開する予定である。また、様々な現場においてハイフレックス型教育の実践例が増えている現状に鑑み、実践研究の論考を中心に関連分野の論文に対するメタ研究も実施する計画である。
|