研究課題/領域番号 |
21K00610
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02090:日本語教育関連
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研究機関 | 立命館アジア太平洋大学 |
研究代表者 |
大平 幸 立命館アジア太平洋大学, 言語教育センター, 講師 (80776831)
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研究分担者 |
森本 郁代 関西学院大学, 法学部, 教授 (40434881)
藤浦 五月 武蔵野大学, グローバル学部, 准教授 (30803663)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 定住外国人就労支援 / 職場の日本語能力指標 / 対話型評価活動 / 職場支援プログラム / Can Do Statements / 会話分析 / 対話型職場支援プログラム / Can-Do Statements / 相互行為分析 / ワークショップ |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、多文化化が進む日本社会において、外国人が働きやすい職場環境作りを行うため、職場の問題をコミュニケーションの観点から検討し、解決することを目的とする。 そのために、就労現場での調査と分析を行い、「職場の日本語能力指標[Can-do statements]」を開発する。また、このCdsを用いた双方向型のコミュニケーション評価活動をデザインし、職場支援のための具体的な方策を検討し、現場への提案につなげる。
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研究実績の概要 |
令和5年度は、令和4年度に実施した「外国人の就労支援に関わる方々へのインタビュー」を分析し、就労現場の課題とその解決策につながる要素の抽出を行った。また、これまで継続して行ってきた「職場におけるコミュニケーションの分析」及び「Can-do statements(以下Cds)の開発」と、対話型評価活動の土台となる「職場支援のためのワークの開発」を行った。 「職場支援のためのワークの開発」については、月に2回の研究会を実施し、「指示の出し手」、つまり受け入れを行っている職場の人々に向けたワークを開発している。開発したワークは、国際交流協会が主催する外国人就労セミナーなどで実施し、参加者からのフィードバックをもとに改良を行っている。本ワークは、職場の人々が、自身のコミュニケーションについて検討する「対話型評価活動」開発に貢献するものである。 さらに、職場における課題解決のため、「外国人支援者へのフォーカス・インタビュー」の分析を行い、就労現場の課題とその解決策につながる要素の抽出を行った。本インタビューは、外国人の就労支援の活動を行う人々の生の声を聞き取り、そこから課題やその解決策を特定することを企図し、令和4、5年に実施したものである。令和5年度は、インタビュー分析の結果をもとに、就労現場や外国人就労支援者に向けた提言を行うべく、冊子の作成を進めている。また、インタビューは今後も継続して行う。 コミュニケーション分析については、月1回のデータセッションを行い、就労現場における相互行為分析を行っている。令和5年度は、「接客場面」を中心に分析を行った。「接客場面」は幅広く、接客のタイプによるデータの整理が必要となった。現在は、ビデオデータから接客場面を抽出し、データコレクションの一覧の作成を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
職場の日本語Cds開発がやや遅れている。令和4年度に「ドメインベース」のCdsから「行為ベース」のCds開発へと方向転換を行ったため、再度映像データから事例を抽出し、コレクションを作成するという作業が必要となった。また、現在分析を進めている「接客場面」においては、行為のあり方が幅広く、分析の対象とする行為の特定に時間を要しているためである。 その一方で、外国人就労支援者へのインタビューの分析により、職場におけるコミュニケーション課題とその解決法の特定の作業を進めることで、外国人が働く職場支援のための方略を探っている。
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今後の研究の推進方策 |
令和6年度は、職場の総合的支援につなげるため、就労の現場に関わる方々へのインタビューをもとに、職場の課題とその対応策をまとめた冊子を作成する。また、「職場におけるコミュニケーションの分析」及び、「職場支援のためのワークの開発」を継続して行っていく。さらに、本課題の最終年度となる令和6年度は、シンポジウムを開催し、成果を広く発信する。 【外国人就労支援者に向けた冊子の作成】令和5年度は、職場における課題解決のための基礎的研究として行った「外国人支援者へのフォーカス・インタビュー」の分析を行った。令和6年度は、外国人支援者に向けた冊子の作成作業をすすめ、これを完成させる。 【Cdsを用いた対話型コミュニケーション評価活動】対話型コミュニケーション評価のためのワーク開発は令和6年度も継続して行う。「外国人支援者へのフォーカス・インタビュー」で示唆された結果をもとにワーク開発を行う。これにより、より総合的な職場の就労支援の実施を目指す。 【職場におけるコミュニケーションの分析とCdsの開発】令和6年度は、「接客場面」における行為ベースのCds作成に開発を進める。収集したビデオデータから事例を抽出して相互行為分析を行い、Cds開発に寄与する知見を探るとともに、その過程で見いだされた職場のコミュニケーションの実相解明につながる知見を、研究の成果として発信する。 【シンポジウムの実施】最終年度となる令和6年は、シンポジウムを開催し、研究の成果を広く発信する。また、例年実施している就労セミナーへの参画を継続し、開発したワークの試行を進める。このことを通して研究成果の発信、協力機関や団体のネットワーク拡大につなげる。
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