研究課題/領域番号 |
21K00613
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02090:日本語教育関連
|
研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
趙 師哲 山口大学, 教育・学生支援機構, 助教 (90783366)
|
研究分担者 |
田中 共子 岡山大学, 社会文化科学学域, 教授 (40227153)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
中途終了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
|
キーワード | 越境者文化意識 / 文化変容方略 / 在日中国人 / 日本語能力 / 超越志向 / 異文化適応 / 中国出身長期滞在者 / 日本語使用 / 日本語母語話者 / 言語管理 / 長期滞在者 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、中国出身の日本長期滞在者を対象に、日本語がどのように「文化変容方略」に影響するかを検討する。文化変容方略はオリジナル文化とエスニック文化への態度を組み合わせた態度分類で、異文化適応に大きく関わるとされる。その選択機序を「言語管理理論」を用いて読み解く。すなわち言語能力を、言語そのものだけでなく母語話者の留意と評価が含まれるものとみて、言語管理が異文化滞在者の滞在のモチベーションやホスト社会と関わる意欲を左右するとの仮説を検証する。本研究は、外国人への日本語教育に示唆を与え、ホストにマイノリティ心理を理解する手がかりを提供し、多文化共生教育の礎となる。
|
研究実績の概要 |
「R5年度研究の具体的内容」 これまでの量的調査では、日本にいる中国出身長期滞在者を対象とした「越境者文化意識」というオリジナル尺度を開発した。34項目で5因子構造が確認され、尺度の信頼性と妥当性が検証された。R5年度にその後続とした量的研究では、当該尺度を用いて、日本にいる125名の中国出身長期滞在者を対象として、彼らの主観的ウェルビーイングと「越境者文化意識」との関連を確認した。「他文化との共存志向」が高い人は低い人よりも、主観的ウェルビーイングが良好であることが分かった。自国文化や価値観を大切にしながらも、他の国や地域の文化を否定せず、対立ではなく協力する志向性を持つ人は、より幸せを感じることが示唆された。さらに、「ホスト文化への合流」が高い人は低い人よりも、主観的ウェルビーイングが良好であった。
「R5年度研究の意義と重要性」 このシリーズ研究の目的は、日本にいる中国出身長期滞在者を対象に、日本語学習をはじめ、彼らの文化変容方略が、いかに彼らの異文化適応と関わるかを検証することである。初歩的な検討のため、主観的ウェルビーイングを異文化適応のアウトカムとしてみることが妥当だと判断した。本年度の重点としては、海外の研究でよく言及される「文化変容方略」及びこのシリーズで見出された「越境者文化意識」が、主観的ウェルビーイングとの関連を確認できたことであった。本研究の結果は、現在の日本社会的を映すが、異文化性を持つ者が心地よく住める多文化社会が、今後の日本でどのような姿として実現されていくのかが注目される。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
120名以上の調査対象者から協力をもらったことによって、越境者文化意識と主観的ウェルビーイングとの関連を確認できた。これから、調査結果に基づいて論文執筆をする予定である。
|
今後の研究の推進方策 |
データに基づき、論文を執筆する。
|