研究課題/領域番号 |
21K00618
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02090:日本語教育関連
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研究機関 | 周南公立大学 |
研究代表者 |
立部 文崇 周南公立大学, 経済学部, 准教授 (10724081)
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研究分担者 |
小林 武生 周南公立大学, 福祉情報学部, 教授 (40350699)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 介護現場でのコミュニケーション / 食事介助 / 安全性 / 発話量 / 質問の形式 / 食事介助時の話題 / 外国人介護士 / 声かけ / 介護施設 / 介助場面 / 談話分析 / 発話意図 / 介護現場 / 三大介助場面 / 談話構造 / 発話末表現 |
研究開始時の研究の概要 |
問題視され続け、解決の目処がたっていない問題として、福祉現場における介護従事者の不足が挙げられる。この人材不足の解消のため、外国人介護士の導入が進められているが、依然として介護従事者の不足が補えるほどは進んでいない。この背景には、外国人のコミュニケーション能力が不安視されているという現実がある。この問題を解決するため、本研究では介護現場で行われる言語活動を記述、体系化し、外国人介護士の養成へとつなげる。また、これまで明らかにされることなかった形のない専門性を明らかにしてくことで、介護士そのもののスキルアップにもつなげる。
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研究実績の概要 |
本研究の特徴は、介護現場で行われる「声かけ」の特徴を言語運用の観点から記述、また介護現場で実際に行われている発話を録音、デジタルデータ化することにより量的に分析することに加え、福祉職従事者の養成に長く関わる研究者によるインタビューにより、質的にも分析を行う点にある。 これらの調査、分析方法により日本語を母語とする介護者が声かけ時にどのような意図のもと、どのような表現を用い、どのような談話を構成しているのかを明らかにする。これにより昨今必要度を増している日本語を母語としな介護職従事者の要請にも貢献できると考えられる。 この目的に対し、現在、コロナ禍の影響により遅れていたデータの収集を進めるとともに、インタビューによる質的分析を進めている。分析の途中ではあるが、介護従事者の発話は、一般的な母語話者の発話と比べ、テキスト化した際の文字数が少なく、簡潔にまた曖昧性がない形で発せられていること、またWH質問などではなく、Yes/No疑問文が多用されることが明かとなっている。これらの背景には、質的な分析により、昨年度明らかとしたように食事介助場面であっても介護従事者が重んじることが被介護者の安全にあると言う点が大きいと考えられる。また新たに分析を開始したレクリエーション場面での声掛けにおいても食事介助場面と同じように安全面への配慮が多く見られた。 現在、これらの特徴について、さらに分析を進めている。最終年度となる今年度は、更なるデータの収集を進め、より精緻な分析を行うことにより上記の特徴を具体化していく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2021年度にコロナ禍において、データ収集がうまく進まなかったことが尾を引いている。2022年度は、受け入れ施設側と連絡を取り合い、少しずつではあるが、データの収集を実施することができた。具体的には、食事介助場面だけでなく、その他のコミュニケーション場面においてもデータ収集を行うことができた。2023年度は、これらのデータの分析とインタビューによる発話意図の確認などを急いだが、未だ収集したデータ全ての分析を終えることができていない。
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今後の研究の推進方策 |
延長後の最終年度である2024年度は、分析を終えることができていない食事介助場面以外のデータの分析、具体的には、レクリエーション場面の分析を急ぐとともに、分析結果を補足するデータとして、排泄介助場面の発話データの収集を行う予定である。
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