研究課題/領域番号 |
21K00620
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02090:日本語教育関連
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研究機関 | 東京外国語大学 |
研究代表者 |
本田 ゆかり 東京外国語大学, 大学院国際日本学研究院, 研究員 (00817413)
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研究分担者 |
投野 由紀夫 東京外国語大学, 大学院総合国際学研究院, 教授 (10211393)
野口 芙美 東京福祉大学, 教育学部, 講師 (60844404)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 日本語教育 / 語彙リスト / JF日本語教育スタンダード / 日本語教育学習支援ツール / コーパス / CEFR / 日本語教科書 / JFスタンダード |
研究開始時の研究の概要 |
JFスタンダードは国際交流基金によって開発されたCEFRに基づく評価基準である。現在、その準拠教材開発と普及が進められている。JFスタンダードに基づく教育では、コミュニケーション能力を到達基準として能力記述文に沿った指導が行われるが、言語機能が優先され、どのような語彙や表現に注目すべきかというような点が曖昧になりやすい。 そこで本研究では、タスク遂行に必要な語彙や表現を体系的に示すとともに語彙項目の重要度を明らかにしたい。能力記述文に紐づく語彙や表現の中でも学習優先度を意識し、過剰な重複や見落としを避けることができれば、効率よく学習を進めることができる。
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研究実績の概要 |
1. 初級日本語会話データベースに対するJFスタンダードCando番号の付与 令和5年度は前年度から引き続き、日本語教科書の会話文とJFスタンダードCando記述文を紐づけるため、「初級日本語教科書データベース」にCandoタグを付与する作業を行った。「初級日本語教科書データベース」には、『みんなの日本語初級1,2』(第二版、スリーエーネットワーク)『初級日本語げんき1、2』(第三版、ジャパンタイムズ)『できる日本語初 級、初中級』(アルク)、『まるごと日本のことばと文化 入門、初級1、初級2』(三修社)の4種類の初級日本語教科書の会話文を収集した。 これらの中でも『みんなの日本語』や『げんき』のような構造シラバスの教科書会話文は、場面や機能に基づくCando記述文と結び付けにくいため、タグ付け作業に時間を要していた。しかし、『みんなの日本語』では、会話文のCandoにあたる「練習C やりとりの内容」と「練習C 機能、場面、事柄で括ったリストの内容」がWeb上に公開されたので、これに基づいて作業を進めることができた。 2. JF生活Candoを分析対象に追加 JFスタンダードCandoに加え、令和4年度はJF生活Cando(381項目)が新たに公開された。これは日本での生活場面で求められる基礎的な日本語コミュニケーション力をCan-do Statementとしてリストにまとめたものであるが、初級日本語教科書の会話文とマッチする項目が多い。そこで、本研究ではJF生活Candoも分析対象として加え、タグ付け作業を継続している。 3. 日本語教育支援ツールの開発 本研究では、初級日本語教科書に出現する会話文とCandoとの対応を検索して表示する教育支援ツールの開発を行っている。。今年度は昨年度作った試用版をもとに、デザインや機能の改良を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
本研究の計画当初は、JFスタンダードCandoだけを分析対象としていた。しかし、昨年JF生活Candoとして新たに381項目のCandoが公開された。これらは本研究が対象としている初級日本語教科書の会話文ともマッチする項目が多い。そこで本研究では、日本語教育の現場や研究に役立つリソースや支援ツールを提供することを目指し、JF生活Candoも分析対象として加えることにした。 このようなことから分析対象が大幅に増えたため、研究の完了までに追加時間が必要となり期間を延長した。
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今後の研究の推進方策 |
1. JF生活Candoと教科書会話文の紐づけ JF生活Cando記述文と「初級日本語教科書データベース」を紐づけるためのタグ付け作業には、複数の研究協力者の協力を得て進めていく予定である。
2. 日本語教育支援ツール 研究計画時は、①「会話文とCandoの対応を検索するツール」のほかに、本研究で作成する語彙リストを実装した②「語彙チェックツール」を別に開発する予定だった。しかし、①のツールにおいて、会話文と一緒に語彙も表示できるように改良したため、②の語彙リスト専用ツール開発は不要になった。語彙リスト本体はこのツールからダウンロードする形にする計画である。
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