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ASDを持つ日本語学習者に対する教授法開発および教材作成に関する基礎的研究

研究課題

研究課題/領域番号 21K00644
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分02090:日本語教育関連
研究機関長崎外国語大学

研究代表者

安田 眞由美  長崎外国語大学, 外国語学部, 准教授 (30532923)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
キーワードASD / 日本語学習者 / 日本語教師 / ビリーフ / 協働学習 / グループ発表 / 日本語学習 / 心理職の教員 / 半構造化インタビュー / 合理的配慮 / 発達障害 / 言語能力 / 言語運用能力 / 情意要因 / 教授法 / 教材
研究開始時の研究の概要

本研究は発達障害の中でもASDを持つ日本語学習者が、日本での日本語学習において、どのような問題に直面し、どのような困難さがあるのか、またどのような支援を求めているのかということについて、半構造化インタビューによって明らかにし、インタビューの分析結果および国内・海外のASDを持つ人を対象にした外国語学習に関する先行研究の分析を通して、効果的な教授法や教材を開発するものである。本研究で得られた知見は、大学における合理的配慮の提供に寄与することができ、さらには、日本語教育が必要でASDが疑われる外国につながる児童生徒、外国人労働者への日本語教育という点においても貢献することができる。

研究実績の概要

ASDのある日本語学習者の日本における日本語学習状況を知るために,大学に所属する日本語教師に対して半構造化インタビューを実施した。事前に準備した質問項目は以下の通りである。①日本語の授業内における当該学生の状況(出席率,課題提出率,試験受験率,得点率,授業内の人間関係,教師の評価など),②日本語学習における当該学生の状況(日本語レベル,4技能(読解,聴解,作文,会話)別,項目(文法,語彙,文字)別,③日本語教員の支援の有無,支援の内容と効果,④問題点(制度や支援そのものにおける問題点)⑤今度の課題。
インタビューの分析結果と日本語教師のビリーフから,次のことが浮かび上がってきた。なお,ASDの特性が日本語学習にどのように影響するのか,「言語能力」,「言語運用能力」,「情意要因」の側面から見ていくことが重要であると思われるが,今回は特に,「情意要因」の側面から見ていく。(1)国際共修場面において,日本語教師は,非語学系の教員,語学系の教員と比較しても,成果物や協働学習,特にグループ発表を重要視する傾向が見られることが報告されている。(2)協働学習とグループ発表は,ASDがある日本語学習者にとっては最も問題が発生しやすい授業形態であることが今回のインタビューで明らかになっている。(1)と(2)を踏まえると,日本語教師の授業形態に関するビリーフが,ASDのある日本語学習者の学びを困難にしている一つの原因である可能性があることが浮かび上がってきた。
「言語能力」については,今回の調査では深刻な問題は報告されなかった。ただ,インタビュー数が十分とは言えないため,今後も慎重な調査と実証的な研究が必要である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

本研究は,半構造化インタビューによって,発達障害の中でもASDがある日本語学習者が日本での日本語学習において,どのような問題に直面し,どのような困難さがあるのか,またどのような支援を求めているのかということについて明らかにするものである。インタビューの対象者は,大学に在籍して日本語教育を受けているASDがある留学生(日本語学習者)本人,彼らを実際に教室で指導している日本語教師,彼らの学習環境を整えて,支援している臨床心理士などの心理職の職員である。
2023年度になって,新型コロナウイルスの行動制限もなくなり,インタビューがしやすい環境になってはきたが,十分にインタビューができたとは言えない。特に,日本語教師とASDのある日本語学習者へのインタビューの数が十分ではない。その理由として,留学が正常化しつつあるものの,まだコロナ前ほどには回復していないことが挙げられる。そして,インタビュー数が集まっておらず,分析も途中であるため,論文執筆や学会発表には至らなかった。

今後の研究の推進方策

2024年度は,留学が正常化し,新規留学生の来日が安定的に見込めることから,インタビューが実施できる環境が整いつつあると思われる。このような状況を鑑み,2024年度は,国内外の先行研究の調査・分析と合わせて,日本語学習者と日本語教師,臨床心理士などの心理職の教員へのインタビューをさらに積極的に進めていきたいと考えている。インタビュー結果については,文字起こし後,全体像を把握するために,KH-coderを用いて,自動処理による頻出語の確認,階層的クラスター分析を行う。また,今回のインタビュー結果の分析の際に参照するため,日本語教師のビリーフについても国内外の研究論文をさらに読み込む必要がある。そして,調査・分析の結果を日本語教育関連の学会で発表したり,論文を執筆したりする予定である。

報告書

(3件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 2021 実施状況報告書
  • 研究成果

    (2件)

すべて 2022 2021

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件)

  • [雑誌論文] 自閉スペクトラム症のある日本語学習者への指導と支援ー言語能力,言語運用能力,情意要因から考えるー2022

    • 著者名/発表者名
      安田眞由美
    • 雑誌名

      新長崎学研究センター紀要

      巻: 第2号 ページ: 67-84

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 自閉スペクトラム症を持つ留学生への支援の実践報告―大学の学生寮での生活上の問題解決を目指してー2021

    • 著者名/発表者名
      安田眞由美
    • 雑誌名

      長崎外大論叢

      巻: 第25号 ページ: 85-98

    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス

URL: 

公開日: 2021-04-28   更新日: 2024-12-25  

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