研究課題/領域番号 |
21K00666
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02100:外国語教育関連
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
遠山 千佳 立命館大学, 法学部, 教授 (40383400)
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研究分担者 |
楊 虹 鹿児島県立短期大学, その他部局等【文学科】, 教授 (20571607)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2024年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 談話構築 / 第2言語習得 / 結束性 / 参照表現 / トピック性 / 言語類型論 / 第二言語習得 / 談話構築能力 / 機能主義的アプローチ / 誤用論的能力 / 母語の影響 / 第二言語による制約とストラテジー / 日本語教育 / 談話機能主義 / 競合する要因 / 方略 / 機能談話文法 / 談話機能文法 / 語用論的能力 |
研究開始時の研究の概要 |
第二言語話者は、社会的、文化的、心理的に、母語や母文化とは異なる多様な文脈を考慮して談話を構築しなければならない。本研究は、第二言語話者が、母語において獲得した相互行為能力や推論能力を第二言語の談話において語用論的に応用するための談話構築能力をどのように発達させていくか、方略や調整も含めてモデル化し、教材を試案、試行する。具体的には、意図、言語表現、文脈の関係に視点をおいた談話機能文法の観点から、日本語を第二言語とする話者の談話データ(横断・縦断)を分析し、母語によるインタビューを行い、談話構築の発達過程、方略・調整を明らかにする。
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研究実績の概要 |
2023年度は、主にタイ語を母語とする中級日本語学習者14名(タイ在住)を対象に、談話データを収集し、談話構築能力の習得状況と習得に影響を与える要因を探るための調査を行なった。当初対面で談話データを収集する予定であったが、コロナ禍の影響から、オンラインでデータ収集を行なった。 談話データの課題は、(1)文字のない絵本を見ながらストーリーを話す、(2)タイのことをあまり知らない人にタイの行事について話す、という2点で、データ収集後、フォローアップインタビューを行なった。データは、参照表現、トピック性の観点から分析し、過年度に収集した中国語母語話者、韓国語母語話者、日本語母語話者によるデータとも比較対照し、談話の結束性を生じさせる手法、言語類型論、第二言語としてのストラテジー、インストラクションなどの観点から分析を行なった。本分析により、従来、自然習得にまかされ、中級レベルではあまり扱われてこなかった談話における参照表現の明示的知識が第二言語の談話構築に効果を与えること、つまり、インストラクションが一定の成果をあげることが示された。また、効果が談話の産出に現れるレベルとして、ある程度以上の日本語能力レベルが必要であることも示された。 結果は以下のシンポジウムで報告した。 「タイ人日本語学習者の物語談話における結束性ー参照表現に着目してー」第1回タイ国日本語教育国際シンポジウム、2024年3月9日、於カセサート大学(タイ、バンコク市)
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナ禍の遅れを取り戻すため、一部研究方法を変更することで進めることができた。しかしながら、遅れはまだ取り戻せておらず、また、今年度は家族の介護と看病の比重が大きくなり、予定通りの時間を充てることが難しかったことも影響した。2024年度は、今年度変更した研究方法で進めていく。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度のタイ人学習者に続き、今年度は英語母語話者等を対象とした調査を進めているところである。AI搭載の機器なども利用しながら、英語母語話者に続き、さまざまな言語の母語話者のデータを収集し、分析をしていく。また、縦断的なデータ収集も行う。 それらを分析した上で、第二言語話者の談話構築能力の発達過程のモデル化を試みる。 また、文献調査も引き続き進めていく。
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