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英語教員養成テレコラボレーションにおける多言語ユーザ・アイデンティティ

研究課題

研究課題/領域番号 21K00695
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分02100:外国語教育関連
研究機関広島修道大学

研究代表者

戸出 朋子  広島修道大学, 人文学部, 教授 (00410259)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2024年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
キーワード言語教師アイデンティティ / トランスランゲージング / クロノトープ / 第二言語自己 / リンガフランカとしての英語 / シェイム / アイデンティティ / 第二言語セルフガイド / 不面目 / 多言語ユーザ / 英語教員志望者 / テレコラボレーション
研究開始時の研究の概要

母語でない言語を学ぶ時,学習者が不完全な知識しか持たないと捉えることが多い。しかし,母語に加えて他の言語も使える多言語ユーザとして,自分自身を肯定的に捉えること(多言語ユーザ・アイデンティティを構築すること)は重要である。本研究は,アイデンティティは言語を使う中で構築されるという理論に基づき,日本と米国の大学の英語教師養成課程間のオンラインチャットを活用した交流でのやり取りを分析する。日本の学生が,どのような条件下で,自分を多言語共同体の一員と位置づけるか,自分の英語学習に対する感情がどう変容するかを検証する。

研究実績の概要

言語教師には、言語教師アイデンティティの形成が、プロとしての成長にとって不可欠である。非母語話者の英語教師や英語教師志望者のアイデンティティは複雑である。養成教育において、母語話者・非母語話者という区別にとらわれない「リンガフランカ(共通語)としての英語」という概念を知り、自信を持つことができる一方で、自分はプロなのだから完璧でありたいという心理が働き、不全感を払拭できないからである。本研究では、英語教師志望者である大学生3名と米国出身の外国語指導助手1名にトランスランゲージング雑談をしてもらい、どのような教師アイデンティティが雑談の中で創発するのかを談話分析した。トランスランゲージングとは、言語間の仕切りにとらわれず言語能力総体を使ってコミュニケーションすることを言い、マルチリンガルの人たちの言語使用の有様そのものである。英語教育について2回にわたって4名で自由に話し合ったトランスランゲージング雑談の録音・録画をデータとした。加えてその前後に学生との個別インタビューを行い、英語とのこれまでの関わりや描く英語教師像などを話してもらった。文字起こししたデータを、クロノトープという概念を用いて談話分析した。クロノトープとは、時空間という意味で、モバイル・コンテクスト とも呼ばれる。進行中の談話の中で、「今・ここ」のコンテクストだけでなく、様々なクロノトープ(過去の思い出・異なる場に特有な価値観・想像の世界など)が次々と想起される様を明らかにし、複雑なアイデンティティを分析するのに適している。分析により、大学での養成教育のクロノトープ、自己の外国語学習のクロノトープなどが想起され、交差して、楽しい雰囲気をつくり出す教師になるという教師アイデンティティが構築された。その一方で、自分が二言語・多言語話者であるというアイデンティティの創発は確認されなかった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

前年度計画したとおりに、トランスランゲージング実践を談話分析して、英語教師志望学生が持つ複雑でニュアンスの効いたアイデンティティが創発する様を明らかにし、全国英語教育学会で発表することができた。また、前年度の研究成果である質問紙調査の成果を論文化し、国際誌に投稿する準備が整った。

今後の研究の推進方策

2023年度の自分が二言語・多言語話者であるというアイデンティティの創発は確認されなかったので、2024年度は、言語遊び(language play)の要素を取り入れたトランスランゲージング実践を行う。参加者を英語教師志望者及び留学生から募集して、「インタビュー詩」創作をタスクとしたトランスランゲージング実践を行う。その話し合いの模様を録画・録音し、談話分析を行い、アイデンティティ交渉やアイデンティティ構築がどのようになされるかを分析する。

報告書

(3件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 2021 実施状況報告書
  • 研究成果

    (9件)

すべて 2024 2023 2022

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 3件)

  • [雑誌論文] トランスランゲージング教育の観点から見る自己表現2024

    • 著者名/発表者名
      戸出朋子
    • 雑誌名

      新英語教育

      巻: 660

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [雑誌論文] A Migrant’s Chronotopic Identities in Playful Talk in a Classroom2023

    • 著者名/発表者名
      Tomoko Tode
    • 雑誌名

      Applied Linguistics

      巻: - 号: 4 ページ: 698-717

    • DOI

      10.1093/applin/amad013

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] 用法基盤第二言語習得研究の多面性と展望2022

    • 著者名/発表者名
      戸出朋子
    • 雑誌名

      Second Language

      巻: 21 号: 0 ページ: 35-50

    • DOI

      10.11431/secondlanguage.21.0_35

    • ISSN
      1347-278X, 2187-0047
    • 年月日
      2022-12-15
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] 英語科教育における「ことば遊び」の一提案―ヴォイスの観点から―2022

    • 著者名/発表者名
      戸出朋子
    • 雑誌名

      言語表現研究

      巻: 38 ページ: 17-31

    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] The translanguaging ideology in an East-Asian EFL context: Practitioners' agency2024

    • 著者名/発表者名
      Kojiro Hozawa & Tomoko Tode
    • 学会等名
      American Association for Applied Linguistics 2024
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] トランスランゲージ実践における英語教師アイデンティティークロノトープ分析―2023

    • 著者名/発表者名
      戸出朋子
    • 学会等名
      第48回全国英語教育学会香川研究大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] L2 selves and lingua-franca selves: How do they predict shame?2023

    • 著者名/発表者名
      Tomoko Tode
    • 学会等名
      American Association for Applied Linguistics 2023
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] リンガフランカセルフー自己否定からの解放への窓―2022

    • 著者名/発表者名
      戸出朋子
    • 学会等名
      全国英語教育学会第47回北海道研究大会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] An adult migrant's identity work in playful talk in L2 classroom interaction: Chronotope analysis2022

    • 著者名/発表者名
      Tomoko Tode
    • 学会等名
      American Association for Applied Linguistics 2022
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
    • 国際学会

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公開日: 2021-04-28   更新日: 2024-12-25  

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