研究課題/領域番号 |
21K00703
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02100:外国語教育関連
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研究機関 | 富山大学 |
研究代表者 |
岡崎 浩幸 富山大学, 学術研究部教育学系, 教授 (20436801)
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研究分担者 |
加納 幹雄 岐阜聖徳学園大学, 教育学部, 教授 (70353381)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | ALACTモデル / 若手英語教師 / 自己リフレクション / 授業改善 / 省察 / 8つの問い / 若手教師の授業改善 / 先輩教師の授業改善 / 力量形成 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、コルトハーヘンが提唱したALACTモデルの「9つの問い」を用いて若手英語教師が学習指導において授業者の思いと生徒の思いの「ズレ」に気づき、自律的継続的に授業改善に取り組むことで教師の力量形成へとむすびついていく可能性を追究する。この手法を用いて若手教員の支援に携わる経験が先輩教師の支援方法や自らの授業改善面にプラスの変化をもたらすことが期待できる点において意義深い研究となる。
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研究実績の概要 |
2022年度は1名の若手英語教師Aにフォーカスしリフレクションのデータを分析した。Aは中学校非常勤で週3日勤務し自己リフレクションを実施し授業改善に努めた。リフレクションは手ごたえのあったこととや気になったことを中心に、コルトハーヘン(1985)が開発したALACTモデルに沿って、日記形式でリフレクションを行った。3か月にわたるリフレクションデータをSCQRM(西條、2007、2008)を用いて質的に分析した結果、4つのカテゴリ(1)生徒の反応への理解、(2)気になる生徒への理解、(3)前回のリフレクションに促されてた改善案の探索、(4)自己りフレションのリフレクションが抽出された。(1)は「生徒の反応の意味付け」「生徒の反応に基づく改善案」(2)は「問題のある生徒への対応」「問題のある生徒への対応案」のサブカテゴリーからなっている。(3)は前回のリフレクションによって促された改善案の検討について主に記述されている。(4)はリフレクションの体験から発見したことやリフレクションそのものの体験のメリットやデメリットについて語られている。ALACTモデルに沿ったリフレクションを繰り返すことで、過去にリフレクションした場面と似たような場面と出くわした際に、瞬時に異なる対応(代案)を実施することができるようになっていった。これはショーン(1983)の提唱するリフレクションインリフレクションに近い状態といえる。また、リフレクションの体験によって、若手教師は今までとは異なる視点で教師としての自分の姿や生徒の姿を俯瞰的に見れるようにもなった。 この方法で授業を自己リフレクションすることで、若手教師は生徒の反応や気になる生徒に焦点を当てるようになり、継続したリフレクションによって改善案を導き出すことができるようになった。このプロセスが教師のさらなる改善のための意欲向上にも役立っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナの影響で学校訪問が制限されて計画通りのデータが十分収集できていない。
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今後の研究の推進方策 |
昨年の研究協力者2名(A,B)は今年度それぞれ1年目、2年目の若手教師である。Aは昨年度、中学校で講師として自己リフレクションを通して授業改善に取り組んだ。今年度は正式教員として高校に採用され、再度自己リフレクションに取り組んでいる。昨年度同様に、生徒の学びの姿を中心に焦点をあてつつ、生徒が何を考え何を感じていたのか何を望んでいたのかを基に分析し代案を考え、実行していく手順を繰り返すことで、若手教師が何に気づき何を学んでいくか質的に分析していく。また自己りフレクションだけでは不足すると考えられる要素についても探索する。Bは2年目の中学校英語教師で今年度も自己リフレクションを継続してもらい、昨年と同じ成果が得られるのか、どのような変容が生じるのかを明らかにする。
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