研究課題/領域番号 |
21K00710
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02100:外国語教育関連
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研究機関 | 国際教養大学 |
研究代表者 |
町田 智久 国際教養大学, 専門職大学院グローバル・コミュニケーション実践研究科, 教授 (40648771)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 小学校英語 / 教師教育 / 小学校英語教育 / 英語教育 / 小学校 / 教員研修 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、小学校英語の本格実施に伴い、担任教師が効果的に英語指導をおこなうためのガイドブック(授業の進め方や授業作りのポイントを収めた冊子)を開発する。学習指導要領の改訂に伴い、これまでの「聞く・話す」技能に加え「読む・書く」の指導も加わったことで、新たな指導に不安を抱く教師も多い。そこで、秋田県教育委員会及び秋田市教育委員会と協働して、効果的な授業を行うための『授業作りガイドブック』を開発する。教師一人一人が手元に持ち、いつでも使えるガイドブックにしていく。ガイドブックの作成・提供・評価にあたっては、両教育委員会と協働しながら現場教師の指導事例や実態調査を生かして進めていく。
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研究実績の概要 |
新型コロナウィルス感染症の5類移行に伴い、小学校の授業見学も比較的行いやすくなり、秋田県内での小学校の英語の授業見学を行った。授業担当の教員に対してインタビューを行い、授業づくりの際に困っていることや難しいと思うことなどについても聞き取りを行った。加えて、効果的な指導法を学ぶ意味でも、アメリカでの授業改善の研修会に参加し、最新の指導法に関して知見を得た。同時に、日本国内においても小学校英語の研究会の主催する公開指導を見学し、現在求められる小学校の英語指導について学んだ。 また、秋田県内の小学校教員77名に対してもアンケート調査を行い、その結果を集計し、内容を分析した。小学校教員の授業の実態に関しては、以下のことが分かった。まず、英語の使用に関しては、約11%の教員が英語で授業を実施していた。教師の発話の半分以上が英語だと回答した教員は約30%おり、英語での指導が広がりつつあることが分かった。その一方で、約80%の教員が自身の英語力に関して「あいさつや旅行・買い物ができる程度」と答えており、低い英語力ながらも英語を使った指導の工夫をしている実態が見て取れた。また、授業は2人以上の教員によるティーム・ティーチングが一般的で、その割合は96%であった。ティーム・ティーチングの相手は外国人ALTであることがほとんどで、学級担任とALTと英語を使いながら授業を進める授業スタイルが最も多いことも分かった。授業をする上で困っていることや難しいことに関しては、英語に対する不安が上位であることはこれまでの研究でも明らかになっているが、その他には「授業づくり」「授業の進め方」「評価方法」「話すことの指導」が上位を占めていた。これらの結果を基に、今年度はガイドブック作成に向けて研究を進めていく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナ感染症による学校などの立ち入り制限があり、5類移行以前はなかなか学校訪問や教員との接触が難しく、十分にデータを集めることができなかった。また、2022年秋から翌年の春にかけ、米国の大学でサバティカルを取ったとこともあり、本研究に費やす時間がなかなかとることができなかった。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は今年度までに集めたデータを基に、教員の指導の困難をサポートするような効果的な指導のガイドブックのパイロット版及び完成版の作成に向けて努力する。特に、来年度から小学校では教科書が改訂される。そのため、新しい教科書を使用する際にも活用できるようなガイドブックの形態も考慮しながら、ガイドブックの作成を行いたい。同時にそこでの成果を国内外の学会で発表し、広く教育関係者や研究者と成果を共有する。
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