研究課題/領域番号 |
21K00718
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02100:外国語教育関連
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研究機関 | 茨城大学 (2022-2023) 東京医療保健大学 (2021) |
研究代表者 |
青田 庄真 茨城大学, 教育学部, 助教 (60824406)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 英語教育 / 教育行政 / 教育委員会 / 政策過程 / カリキュラム / 小学校低学年 / 教員研修 / 自治体 / 英語教育政策 / 教育政策 / 教育内容 / 相互参照 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は,グローバル人材育成や地方創生といった社会的要請に対応した外国語教育政策の在り方を模索すべく,英語教育カリキュラムは自治体規模や地域の実情等に応じてどのように開発され,発展させられていくのかを明らかにすることである。その際,各自治体が外国語教育のカリキュラムに関してどのような取り組みを行っているのか,またカリキュラム開発にあたってどのような知見を必要としているのかについての情報を収集・分析する。情報の収集には,聞き取り調査とそれに基づいた質問紙調査とを用いる。さらに,それを他の自治体に共有するシステムを構築し,それらを通して自治体間の参照行動を分析する。
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研究実績の概要 |
2023年度には,計画通り本研究の主要な調査を行った。調査は大きく2つに分かれる。前提として,前年度に茨城県内の市町村を対象に,市町村が独自に行っている英語教育について質問紙調査(以下,パイロット調査)を実施した。当該年度に行った第一の調査は,このパイロット調査の回答についてさらなる情報を得るため,茨城県内の市町村教育委員会を対象に聞き取り調査を行ったものである。第二に,パイロット調査の結果を踏まえて改善した調査票を用い,全国の市区町村を対象に質問紙調査を実施したものである。 聞き取り調査では,8つの自治体から協力を得た。その内訳としては,パイロット調査で回答があり,特に独自性の強い取り組みを行っていると思われる自治体と,回答のあった自治体から「参照先」として複数言及されていた自治体を選定した。調査では,それぞれの自治体が実施している独自の取り組みについて,具体的な内容や実施に至った経緯を尋ねた。教育委員会事務局や外国語指導助手の役割について自治体による差異が見られた。 質問紙調査では,全国の全ての市区町村等1,738件を対象に悉皆調査を行った。回収数は730件で,回収率は42%であった。調査内容には,小学校低学年における英語教育の実施状況や,独自の英語教員研修の実施状況などが含まれる。主な結果として,小学校低学年の外国語教育について,37.81%の自治体から年間授業時数が回答されるなど,学習指導要領以外の取り組みが多く報告された。また,市区よりも町村の方が低学年英語教育をより実施している傾向にあった。さらに,低学年で使用されている教材は,ALTが作成したものが最多であり,ALT派遣会社を始めとする学校外部に教育内容を依存している実態が示唆される。今後はこれらの結果を更に分析するとともに,全国の市区町村と共有し,それを通してさらなる情報収集を行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
新型コロナウイルス感染症の拡大ならびに東京オリンピックの延期開催等による社会・行政の混乱,加えて,研究者の研究機関の異動が重なり,前年度までの進捗に大幅な遅れが生じていた。2023年度には,前年度までの遅れを巻き返すほどではないものの,現実的に想定し得る範囲で順調に研究を進めることができた。その分,研究期間を延長することで当初予定していた研究を着実に実施する予定である。
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今後の研究の推進方策 |
当初の計画で,2023年度に実施する予定であった調査,ならびに研究成果の発表を2024年度に実施する予定である。具体的には2023年度に実施した調査によって得られた分析結果を全国の自治体に共有し,それを通して自治体間のさらなる参照行動を分析するとともに,先進事例が積み重ねてきた実践をもとに様々なリソースに制約のある自治体の英語教育政策を支援することを試みる。 また,前年度に引き続き,研究代表者の所属研究機関が所在する県内の自治体に対して聞き取り調査ならびに資料調査を継続して行う予定である。2023年度に行った調査により,多くの情報が新たに得られたが,さらに状況の異なる自治体にまで対象を広げることにより地域差の実態をより明確に分析することを試みる。
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