研究課題/領域番号 |
21K00732
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02100:外国語教育関連
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
松原 緑 名古屋大学, 教養教育院, 准教授 (00547036)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 意味情報 / イントネーション / プロソディ習得 / 音楽的資質 / 転移 / 感情移入 / プロソディ / L2 / 発話 |
研究開始時の研究の概要 |
日本語母語話者が英語を発音する際に特徴的な「日本語訛り」を修正し、センテンス・レベルのプロソディ(リズムやイントネーションなどの韻律的特徴)の習得を促すための効果的な学習方法を模索すること目標としている。 学習者が発話タスクを行う際に、発話内容(=意味情報)に注意を向けるか・向けないかをコントロールすることで、母語の音韻的特徴が第二言語にマイナスの影響を与えることを抑えることができるかを、話者の音楽的資質および脳血流量測定による感情移入の度合いを考慮に入れて検証する。
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研究実績の概要 |
研究課題2年目は、当初計画していた実験方法および手順の一部見直しを行い、被験者を募ってデータを収集した。 本研究では、学習者がL2で発話する際に、注意を意味情報に向けるか否かをコントロールすることで、L1プロソディの負の干渉度合いを調べることを目的として準備を進めてきたが、予定していた各言語のプロソディ抽出音声の作成において満足のいくレベルに達しなかったため、意味情報に向ける注意のコントロール方法を再考し、今年度は発話内容が理解できる既習外国語と発話内容が理解できない未習外国語により意味情報をコントロールし実験を実施した。 実験では以下に挙げるRQに対する結果を得るべく5種類のデータを収集した。RQ1:意味の分かる既習外国語を発音するときと、意味の分からない未習外国語を発音するときでは脳血流の反応に違いがあるか RQ2:リピート・タスクにおけるモデル音声の再現性に、意味の認識は影響を及ぼすか RQ3:リピート・タスクにおけるモデル音声の再現性に、音楽的素養は影響を及ぼすか RQ4:リピート・タスクにおけるモデル音声の再現性に、リスニング能力は影響を及ぼすか。収集したデータは下記の通り。(1)既習外国語と未習外国語発話音声データ (2)ウェアブル携帯型脳活動計測装置HOT-2000を着用しての発話時の脳血流の変化 (3)The Profile of Music Perception Skills (PROMS)音感テストのスコア (4)TOEIC L & R IP オンライン版の英語リスニング・テストのスコア (5)音楽経験・外国語学習に関するアンケート 現在これら得られたデータを分析し、結果をまとめている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルス感染症の影響下で、音楽の素養有りという条件を十分に満たす被験者を募ることは難しく、条件を緩めて被験者を募集した。追加募集をしても予定人数を下回ったが、2回に分けて実施した実験でデータを収集することはできた。当初計画していた実験方法を一部変更し実施した。現在は収集したデータの分析に着手しているが、脳血流データと発話音声データの分析処理に時間を要しており、結果のまとめに遅れが生じている。
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今後の研究の推進方策 |
これまでに収集したデータの分析を進めて、得られた結果をまとめる。当初予定していた各言語のプロソディ抽出音声の精度を満足のいくレベルにまで完成させ、再度実験を行う。また先の実験では脳血流データと発話データが分離しているため、シンクロさせて分析するのに時間を要したが、新しく脳血流の変化と実験中の画像音声を同時に記録できるツールを利用してデータ収集を行う予定である。音楽の素養有りという条件を十分に満たす被験者を集めることは難しいため、PROMS音感テストのデータを基に分析を進める。新規に収集したデータを用いて再度分析を行い、結果をまとめ順次発表を行う。
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