研究課題/領域番号 |
21K00735
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02100:外国語教育関連
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
今道 晴彦 広島大学, 人間社会科学研究科(文), 准教授 (40758182)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 学術テキスト / 年代差 / 分野差 / コーパス / 学術ドイツ語 / ゲルマニスティーク / 高頻度語 / 品詞構成 / N グラム / 名詞文体 / 言語変化 / 語彙 / 定型表現 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,ゲルマニスティーク専攻のドイツ語学習者の論文読解および論文執筆支援のための共通基盤の構築に寄与することを目指し,計量的観点から当該分野に特徴的な語彙や定型表現の整理を行う。具体的には,(1)ゲルマニスティーク分野の主要学術誌をコーパス化した上で,(2)昨今注目されるLDA(潜在的ディリクレ配分法)に基づくトピックモデルなどを援用して,当該分野に特徴的なトピックと,それに関連する語彙を選定する。また,(3)分析対象を論文要旨に限定した上で,特定の機能を担う談話単位(ムーブ)を分析すると共に,(4)各談話単位に特徴的な定型表現の抽出を行う。
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研究実績の概要 |
本研究は,ゲルマニスティーク関連の研究論文において特徴的に使用される語彙や定型表現を計量的手法に基づいて調査し,当該分野を専攻するドイツ語学習者の論文読解および論文執筆に資する教育的示唆を得ることを目指すものである。 本年度(令和5年度)は,ドイツ語ではまだ十分に検証されていない学術分野間の全体的な関係を捉えるため,5分野(哲学,言語学,法学,経済学,医学)の学術論文を対象に,分野差の有無を調査した。また,昨今の学術文章における文体や表現への関心の高まりを踏まえ,一定の時間幅のなかでの検証も必要であるとの考えから,比較的入手しやすい1980年以降に公表された学術論文を収集し,年代差と分野差を調査した。調査に際しては,(1)品詞,(2)頻出語彙,(3)学術文章で多用されると考えられるものの(2)ではカバーされない動詞の使用頻度に着目した。 その結果,学術文章の文体や表現が近年注目されるようになったものの,一義的には,出版年ではなく分野に応じて学術論文が分類されることがわかった。具体的には,品詞の調査により,実証性の高い分野では名詞を中心とする文体が特徴的であること,しかし,文構造を複雑にするものではないことが示唆された。一方で,医学論文と法学論文では,近年,名詞を中心とする文体をやや控える傾向にあり,言語学論文,哲学論文では,逆の傾向にあることなどが確認された。また,頻出語彙の調査により,医学論文や経済学論文では,分析結果について言及する動詞や,数値の高低や頻度に関する形容詞などが,哲学論文や言語学論文では,発話動詞,推量表現,一人称代名詞などが特徴的に使用されることが確認された。また,学術文章で多用されると考えられ動詞の調査により,その多くが人文社会科学分野を想定して列挙された可能性が高く,とりわけ医学論文では動詞の使用が他分野と比較してより限定されることなどが確認された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究は,ゲルマニスティークを専攻するドイツ語学習者の論文読解および論文執筆に資する語彙や定型表現を具体的に提示するという段階には至っていないが,上述の通り,ドイツ語ではまだ十分に検証されていない学術分野間の全体的な関係について,いくつかの示唆が得られた点で「おおむね順調に進展している」とした。
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今後の研究の推進方策 |
本年度は,前年度に収集した分析データを用いて,引き続き年代差や分野差に注目しつつ,接辞の生産性について検証する。
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