研究課題/領域番号 |
21K00741
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02100:外国語教育関連
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
堀 智子 順天堂大学, スポーツ健康科学部, 先任准教授 (00269789)
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研究分担者 |
遠山 道子 文教大学, 経営学部, 准教授 (30439343)
杉浦 香織 立命館大学, 理工学部, 教授 (50515921)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | ジェスチャー / 英語イントネーション / 音声知覚 / 日本人英語学習者 / ピッチジェスチャー / 英語イントネーション指導法 |
研究開始時の研究の概要 |
イントネーションは実践的英語力に不可欠だが、習得が困難で指導法も確立されていない。本研究は「ジェスチャーが言語理解に加えて第二言語(L2)習得を促進する」という近年の報告に基づき、①ジェスチャーが日本語話者の英語イントネーション習得に与える効果と、②その効果を高める条件(例:ジェスチャーの種類、ジェスチャーの使い方、学習者の英語力)を明らかにし、効果的な指導法開発の基盤づくりを目指す。
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研究実績の概要 |
本研究は「ジェスチャーが言語理解に加えて第二言語(L2)習得を促進する」という先行研究に基づき、(1)ジェスチャーが日本語話者の英語イントネーション習得に与える効果と、(2)その効果を高める条件を明らかにし、効果的なイントネーション指導法開発の基盤づくりを目指している。 これまでの実験で、ピッチ変動と一致するジェスチャーを音声と同時に提示することは、日本語話者の英語イントネーション知覚の精度を高め、一致しないジェスチャーは知覚を阻害する効果があることが分かった。また、英語イントネーション音声のみの知覚実験(Akatsuka et al, 2018; Hori et al., 2021)結果と同様、知覚の正答率は下降調がもっとも高く、上昇調、下降上昇調となり、イントネーションパターンによる違いがあり、上昇調の知覚が困難であることを確認した。しかし、ジェスチャー提示で、日本人英語学習者が苦手とする上昇調でも、正答率が有意に向上することが分かった。 2022年度はアメリカ応用言語学会で、ジェスチャーが日本語話者の英語イントネーションの知覚に与える影響を報告し、他の研究者からフィードバックやコメント、今後の研究に向けた助言を多数得た。そのコメントや質問を精査する中で、「日本語話者は上昇調の知覚を苦手」とする実験結果は、上昇調、下降調、下降上昇調の3パターンを刺激に用いる事に起因するだけではないかという疑問の検証が必要と判断し、追加の知覚実験を行った。実験では、上昇調と下降調の英語音声刺激(ジェスチャー無)を用意し、イントネーションパターンの判定を求めた。その結果、上昇調が下降調より有意に正答率が低いことが確認された。このことにより、日本語話者は下降調より上昇調の知覚を苦手とするが、ジェスチャーの提示で知覚向上が期待できることが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
最初の計画では2022年度はジェスチャーのイントネーション発音への影響を検証する実験を実施する予定であったが、実験で行うジェスチャーを用いたトレーニング形式、使用する英文、音声と動画の検討と準備に予想以上の時間が必要であった。また、学会発表で受けた助言等により、追加のイントネーション知覚実験を行い、これまでの研究成果をこの時点でまず論文化することに変更したため。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、まずジェスチャーを用いた英語イントネーションの発音実験を事前テスト、トレーニング、事後テストの流れで行う予定である。この実験で、 (1)効果の有無、(2)ジェスチャー使用法(ジェスチャー提示 vs. ジェスチャー実施)による違いの有無、(3)知覚と産出での違いの有無を検証し、指導法検討の足掛かりとしたい。
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