研究課題/領域番号 |
21K00746
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02100:外国語教育関連
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
渡辺 彰子 立命館大学, 言語教育センター, 嘱託講師 (70579466)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 異文化間コミュニケーション / コミュニケーション方略 / トランザクト対話 / 遠隔共同授業 / 異文化間相互理解 / 対話 / インタビュー方略 / 異文化間理解 / 談話分析 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,大学生と教員間の相互理解のある「対話」に焦点をあて,トランザクト対話分類法を用いて会話分析を行うことによって,異文化間相互理解を深める対話のメカニズムを解明し,英語による異文化間理解を深めることに役立てる。教員から学生への問いかけに焦点をあてた会話分析と教員のファシリテーターとしての役割分析を検証することにより,コールバーグの発達理論を枠組みとしたトランザクト対話分類法を英語教育の分野へ応用する可能性を探る。これにより,語学研修や異文化体験の準備段階において,対話能力向上のための指針を提示する。結果的に,学習者や教員が異文化理解に応用可能なコミュニケーション方略となることを目指す。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は,相互理解のある「対話」に焦点をあて,道徳性発達理論を枠組みとしたトランザクト分類法を実際の現場の状況に当てはめて,会話を分析することにより,異文化間相互理解を深める対話のメカニズムを解明することである。従って,異文化理解を深めるための対話方略を提示するために,異なる視点から様々な現場を観察し,言語使用について観察を行った。 初年度である2021年は,異文化理解を深めるための学習を行うFUJEN大学と大阪の小学校の現場に入り,経験豊富な教員による異文化理解の授業が行われている複数の教室を観察した(学会発表7本,雑誌論文2本)。2022年は,FUJEN大学との遠隔共同授業を引き続き観察し,現地の大学を訪問した(学会発表4本,雑誌論文2本)。2023年度においては,実際に日本の大学現場で教鞭をとり,台湾とタイ王国の2か国で遠隔共同授業を行った。これら共同授業の実施を通して得られたデータ分析により,対話にかかる時間や対応が微妙に国ごとに異なることがわかった(学会発表4本,雑誌論文3本)。 このような3年間の継続的な授業観察と教育実践から,教師の問いかけのみならず,日本人英語学習者が様々な異文化間において生じる誤解にも焦点をあてるに至った。今後の研究の足掛かりとして,相互理解とみなすことができる対話がどのように生じていくか,どのように理解が促されるかを調査するきっかけとなった。 今後は遠隔共同授業の現場で起きた状況に即した文献調査も新たに必要となったため,異文化間での相互理解が促されている状況を照らし合わせ,新たに文献研究を行う。また,現在の相互理解の過程が示された映像を見直すとともに,相互理解を妨げる要因についても探る予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究実績の概要で述べたように,異文化理解がどのように促されているかを過去の研究と照らし合わせる必要があり,実際の現場状況が把握できる映像データを整理し,見直し,学習者の誤解が生じる場面映像を分離,分析する必要が生じた。相互理解を妨げる要因について探ることに至ったが,遠隔共同授業の現場で起きた状況に即した文献調査も新たに必要となる。従って,実際に予測していたよりも時間を要する必要があり,おおむね順調ではあったが,全体的には遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
相互理解のある「対話」に焦点をあて,道徳性発達理論を枠組みとしたトランザクト分類法で会話を分析するが,文献調査から新たな手法も加える可能性も考慮したい。異なった国との遠隔教育現場に立つことで,研究の枠を広げる必要がある。異文化間で相手国の文化的要因も考慮し,対話に関する調査を引き続き行う予定である。
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