研究課題/領域番号 |
21K00751
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02100:外国語教育関連
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研究機関 | 秋田工業高等専門学校 |
研究代表者 |
菅原 隆行 秋田工業高等専門学校, その他部局等, 教授 (00331968)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 20秒グラスピング法 / TOEIC / リスニング / シャドーイング / 20秒グラスピング・アンド・レスポンス法 / スピーキング / 教育コンテンツのIT化 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、伸び悩んでいる学生たちが不足しているリスニングの対応力・反応力と、日本人がもっとも苦手とする『話す』スキルの両方を向上させる「20秒グラスピング・アンド・レスポンス法」という独自の新しい指導法を開発し、500点以上のスコアを持つ学生の人数を大幅に増加させ、日本内外におけるグローバル化に対応できる高専生を養成することを目的とする。 また、開発した指導法を冊子とクラウド形式で教材化し、教育コンテンツのIT化・デジタル化を図る。それと並行して、この指導法を応用し、小中学校の授業で活用できる教材開発をも行う。
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研究実績の概要 |
この研究は、「聞く力を向上させる」や「話す力を向上させる」という漠然とした目標の指導法ではなく、比較的長い英文の内容把握(リスニング)とそれに対する対応力(スピーキング)の能力を向上させる指導法であり、さらに2つの技能(リスニング・スピーキング)における理解力ではなく、対応力・反応力を伸ばす方法の開発である。 2022年度においては、本校4年生「総合英語Ⅰ」の科目においてTOEIC対策を行う授業の時に、「20秒グラスピング・アンド・レスポンス法」のSTEP1とSTEP2を主に実施した。「20秒グラスピング・アンド・レスポンス法」のSTEP1とSTEP2とは、次の通りである。 「STEP 1」とは、20秒程度の比較的短い英文を聞き、その英文の伝えたい要点を把握するトレーニングを行うことを指す。この時、場合によっては重要な単語はあらかじめ提示しておき、学生が英文の内容把握できない要因がリスニングにあるのか、それとも語彙力不足にあるのかを診断する。また、「STEP2」では、英文の長さを40秒→1分と段階的にのばし、徐々に長い英文の内容を把握できるよう展開する。1分の長さの英文内容を把握する力のトレーニングを行うときには、英文内容の理解度を問う2~3問の問題を学生に解いてもらい、聞くべきポイントをきちんと把握できているかを確認する。 上記の指導法を行った結果、4年生の授業アンケートでは、「20秒グラスピング・アンド・レスポンス法」の授業は「とても役に立った」または「まあまあ役に立った」と回答した学生が、4学年全体の86.2%であった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
「20秒グラスピング・アンド・レスポンス法」の授業を受けた学生の反応は好評であったものの、4年生のTOEIC学年平均点が、令和3年度は494.90点であったものが、令和4年度においては、468.86点となり、学年平均点が前年度と比較して約26点下降する結果となった。この主な要因は、学生のリスニング力ではなく、リーディング力不足が原因である。しかしながら、リスニング力を十分に伸ばせていない事実もあるため、詳細な分析をしたのちに、教材作成に移りたい。そのため、進捗状況が遅れる結果となっている。 また、コロナの影響により、昨年度も「20秒グラスピング・アンド・レスポンス法」指導法の有効性について、他の教育機関においての検証ができなかった。
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今後の研究の推進方策 |
本校においては、「20秒グラスピング・アンド・レスポンス法」指導法「STEP1」・「STEP2」のさらなる検証と問題点のあぶり出し、さらに「STEP3(20秒程度の比較的短い英文を聞き、その内容に対する適切な応答を自分で考えて英語で答えるトレーニング)」の導入を行う。さらに、昨年度まで実施できなかった他高専での導入と効果検証を、群馬高専の協力のもと、3月下旬からオンライン授業形式で群馬高専の学生に対して開始した。これらのデータをもとに、「20秒グラスピング・アンド・レスポンス法」の教材開発にも着手したい。
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