研究課題/領域番号 |
21K00779
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02100:外国語教育関連
|
研究機関 | 仙台高等専門学校 |
研究代表者 |
武田 淳 仙台高等専門学校, 総合工学科, 特命教授 (60270196)
|
研究分担者 |
亀山 太一 岐阜工業高等専門学校, その他部局等, 教授 (60214558)
青山 晶子 富山高等専門学校, その他部局等, 教授 (40231790)
黒澤 佑司 仙台高等専門学校, 総合工学科, 准教授 (50909512)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2023年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2022年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2021年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
|
キーワード | オンライン授業 / 対面授業 / 主要OS / GIGAスクール構想 / 生成AI / 生成系AI / 遠隔授業 / オンライン / ネットワーク / 反転授業 / オペレーティングシステム |
研究開始時の研究の概要 |
我が国の「学びの多様化」は教育現場にとって喫緊の課題のひとつである。様々な背景をもつ学習者たちに学校はどのような学びの場と機会を提供すべきか、が問われている。そのような背景のなかで発生した新型ウイルスは、図らずも「教室における一斉授業『以外の』授業手法」を我々に問いかけることとなった。解決策として有力視される遠隔授業の導入段階においては、機器の操作を不得手とする教員に対するガイダンスや、それぞれ異なるガジェットを使用する学生への指導が、解決すべき大きな課題である。とりわけ使用OSによる操作性の違いは大きな障壁であり、当研究では主要3OSを用いた遠隔授業のそれぞれの特徴と問題点、解決策を探る。
|
研究実績の概要 |
本研究は当初、新型コロナウイルス感染症が今後も教育現場にもらたし続けるであろう混乱を、新たなオンライン授業の手法を用いて解決することを主たる目的として開始された。研究の中心は、現行の主要OSであるiPadOSとWindowsOS、そしてChromeOSをそれぞれ搭載したタブレットを実際の授業に導入し、どの組み合わせが最も効果的であるかを検証するというものであった。新型コロナウイルス感染症は我が国の教育現場に大きな混乱と弊害をもたらしたが、研究代表者は2015年以来実施してきた反転授業とオンラインの遠隔授業が極めて親和性が高いことに着目し、当研究の最終目的として「オンライン授業に求められる実践的かつ詳細な手法を確立し、現場にフィードバックするための具体的資料としてまとめること」を計画した。R3年度当初は、1)主な活動としてデータ収集を行う。担当者はそれぞれ遠隔授業を実施し、OSごとの最適な遠隔授業の手法をまとめる。2)全国高専英語教育学会COCETや全国英語教育学会JASELEをはじめとする全国研究大会で途中経過を発表し評価を受ける。3)COCET及び全国KOSENフォーラムでワークショップを実施し、遠隔授業の啓発活動を行う、等を予定した。しかしながらR3年度の研究は予定から遅れた。理由は、新型コロナウイルス感染症対策で人的移動が長く制限され担当者が対面で打合せを行うことが全く不可能であったことと、文部科学省主導のGIGAスクール構想の影響で国内の教育用デバイスが小中学校を最優先に配布され当研究への配分が大きく遅れたことであった。続くR4年度も端末の不足には大きな変化は見られず、当研究は現在iPadOSで動作するiPad20台を主なデバイスとして展開している。iPadは仙台高専第4学年生に配布し、必要以上に用途を制限せずに「持ち帰り可」の使用を認め、データを収集している。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
R3年度当初は、1)主な活動としてデータ収集を行う。担当者はそれぞれ遠隔授業を実施し、OSごとの最適な遠隔授業の手法をまとめる。2)全国高専英語教育学会COCETや全国英語教育学会JASELEをはじめとする全国研究大会で途中経過を発表し評価を受ける。3)COCET及び全国KOSENフォーラムでワークショップを実施し、遠隔授業の啓発活動を行う、等を予定した。 R3年度の研究は予定から遅れた。理由は大きく2点、1) 新型コロナウイルス感染症対策で人的移動が長く制限され担当者が対面で打合せを行うことが全く不可能であったことと、2) 文部科学省主導のGIGAスクール構想の影響で国内の教育用デバイスが小中学校を最優先に配布され当研究への配分が大きく遅れたことであった。 1) 人的移動の制限に起因する研究分担者との打合せ不足については、オンライン会議を駆使することである程度対応できたものの、やはり対面でのディスカッ ションには遠く及ばない。同様に、オンライン開催の研究大会では予定していたワークショップは実施不可能であった。R5年5月以降の制限緩和に期待している。 2) 端末の不足についても状況に大きな変化は見られず、特に入手困難が続くWindowsOSとChromeOSについては導入台数を大幅に減じ、当面はiPadOSで動作するiPadを主なデバイスとして研究を展開してきた。 R5年度も状況に大きな変化は見られず、学生用のiPad22台と、既存のWindowsとChoromeの端末を使用しながらデータを収集した。iPadは仙台高専第4学年生に配布し、GIGAスクール構想で言うところの「持ち帰り可」を基本として用途を制限せずに使用を認め、定期的にミーティングを行い報告を受けている。これまで学生からは予想を遥かに超えた質と量のアンケート結果が寄せられており、現在は集計と分析の最中である。
|
今後の研究の推進方策 |
予定通りに準備が完了した22台のiPadについてはこれまでの中間報告をまとめつつあり、タブレット端末の導入によって提供される学習効果の促進については予想を上回る貴重なデータを得ることができた。R5年の年度末にいったんiPadをすべて回収し、協力学生をこれまでの4年生から2年生に再編成した。これにより、学年毎の使用状況の違いを確認する予定である。WindowsOSやChromeOSについては、モニター用端末の流通不足に目立った改善が見られないため、端末そのものではなくOSレベルでの比較を行う予定である。 なお、コロナ禍の移動制限が解除されたことに伴い、共同研究者を含めた3人の研究打合せを当初の計画に戻す予定である。学外発表についても、R5年度は研究発表が計8編であったが、R6年度には当初予定していた編数と内容に戻したい。具体的には、全国英語教育学会JASELE福岡研究大会や全国高等専門学校英語教育学会COCET全国大会、東北地区英語教育学会などでの研究発表を予定している。
|