研究課題/領域番号 |
21K00783
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02100:外国語教育関連
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
下永田 修二 千葉大学, 教育学部, 教授 (40279295)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | CLIL / スポーツ / 英語教育 / インターンシップ / 体育 / コミュニケーション能力 |
研究開始時の研究の概要 |
グローバル化の中で、国際共通語である英語力の向上は日本において重要な課題となっている。外国語活動も小学校から導入され、学校の英語教育においても体験的な言語活動が推進されている。また、体育においても「交流」に視点をおいた活動が推進され、どちらもコミュニケーション能力を高めることが求められている。そして、体育・スポーツ活動中は、日常に近い会話が多く、基礎的な英語表現を多く活用できる。そこで本研究では、英語教育と体育を融合した体育・スポーツ実践が英語力、身体能力およびコミュニケーション能力に与える影響を明らかすることを目的とし、グローバル人材育成における体育・スポーツの有効性について検討する。
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研究実績の概要 |
本研究は、大学の体育・スポーツにおける英語でのスポーツ実践が学生の英語に関する意識・コミュニケーション能力、および体育に関する意識・身体能力に与える影響を検討することを目的としている。2019年度に教育学部保健体育科科目を受講している 学生のうち協力の得られた学生を対象として、英語およびスポーツに関する嗜好度、有能感、英語によるスポーツ実技授業受講希望に関する調査を行った結果について検討した。その結果、スポーツ・英語ともに有能感よりも嗜好度が英語によるスポーツ実技授業を希望する要因として大きいことが示された。2023年度まで継続して、教育学部保健体育科教員免許の教科に関する科目において、英語を用いたレクリエーション活動を実施し、それぞれの活動ごとの効果、特性について検証を行ってきた。2019年度に実施した英語に用いたレクリエーション活動については、「レクリエーション活動へのCLILの導入-受講生の主観によるレクリエーション活動ごとの違いについて-」と題して論文にまとめた。現在は、千葉大学が行っている留学プログラムと連携をすることによって、実際に海外、特に英語を母国語としない東南アジアの学生と一緒にレクリエーション活動を行い、その時の英語によるコミュニケーションおよび体育、スポーツの活動状況に関する調査を行っている。また、 現在は、ASEANの留学生とともに英語で行う体育・スポーツ実技のみでなく、スポーツ科学に関する授業実践を行い、 その成果についても分析を進めている。これまでいくつかの実践を行なってきたが、日本人学生とASEANの学生との違いもみれら、今後も継続して検討を行っていく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究では、1、体育・スポーツ活動に外国語教育を導入する可能性を探ること、2、国内における英語を活用した体育・スポーツ実践における英語力、身体能力、技能に与える影響の検証、3、海外教育インターンシップにおける英語による体育・スポーツ実践の効果検証の3つの課題に取り組んできた。 2021年度から2022年度前半は、海外渡航の制限等が設けられていたため、1、2の研究課題を中心に研究を進めた。データ収集を行い分析を進め、英語の嗜好度が高い学生が英語における体育・スポーツ活動に興味を持っている傾向がみられ、論文としてまとめ投稿した。また、英語を用いたレクリエーション活動ごとの比較においては、英語を用いた活動においても学生の満足度に大きな違いは認められないが、活動ごとに英語の使用頻度においては違いがみれら、英語をどの程度使用させたいかによって、導入するレクリエーションの内容を考慮する必要があることが示された。これらの調査については今後も継続して実施をしていき、継続して研究発表、論文としてまとめていく予定である。 3の海外教育インターンシップにおける英語による体育・スポーツ実践については、海外渡航も再開され、研究を推進中である。今後は、海外からASEANの教員、学生を招聘する活動も行い、海外教育インターンシップを双方向で実施し、体育実技のみではなく、スポーツ実験等における効果も検証していく状況になってきており、研究は順調に進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
海外の教員の協力も得られるようになり、海外の教員、学生の招聘も行い研究を進める。 また、研究開始当初、体育・スポーツ実技におけるCLIL活動を中心に研究を始めたが、現在は、スポーツ科学の講義における大学生の英語における共同活動における学習効果の検証も行っており、体育実技だけでなく、スポーツサイエンスの分野でのプログラム開発にも取り組んでいる。 研究実績の概要でも述べたとおり、英語を用いた体育・スポーツの実践は、活動に関する満足度は大きく変わることなく、実践ができることが示されてきている。ただし、日本人と同様に英語を母国語としないASEANの学生とともにパラスポーツ等を行い、その時にどれくらい自分が英語で思うように感情表現できたかを確認したところ、日本人学生はASEANの学生よりも自己評価が低い傾向がみられた。これは、英語教育との融合を考えた場合に、まだまだ課題の部分であると考えられるので、今後もさらに、日本においてASEANの学生、教職員と交流することで、課題を発見し、改善方法についても考えていく必要がある。そのためには、海外からASEANの教員、学生を招聘する活動も行い、海外教育インターンシップを双方向で実施し、体育実技のみではなく、スポーツ実験等における効果も検証していく。この研究を推進していくことによって、専門性が高まる中で英語を用いて共同的に活動していく成果について検討し、体育・スポーツ実践プログラムの開発につながっていくと考える
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