研究課題/領域番号 |
21K00792
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02100:外国語教育関連
|
研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
金子 育世 順天堂大学, 医療看護学部, 教授 (00360115)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
|
キーワード | 第二言語習得 / 英語の感情音声 / 音響特性 / 表現力 / スピーキング / 吹き替え |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、日本人英語学習者の感情音声に着目し、その言語特性を明確にしたうえで、円滑かつ誤解のないコミュニケーションに役立つ感情表現能力を養成する指導法を考案することを目的とする。具体的には、感情表現能力を向上させるための方策としてシャドーイングとアクティング(演技)を活用し、その効果を検証する。最終的には、検証結果を反映させた英語授業や教授法の開発といったような英語教育への応用を目標とする。
|
研究実績の概要 |
本研究は、日本人英語学習者の感情表現能力を養成するための効果的な指導法を開発することを目的とする。そのためにまず、日本人英語学習者による感情音声の習得状況および特徴を明らかにしたうえで、感情表現能力を向上させるために、どのような学習方法が効果的であるかを検証する。最終的に、感情表現能力向上に繋がる指導法を考案し、英語教育への応用を目指す。 2022年度は、映画の一場面の会話の吹き替え(voiceover acting)を2つの異なる方法で指導し、日本人英語学習者の感情音声の変化を観測した。日本人大学生を実験参加者とし、映画『シュレック』の一場面を教材として、20分×5回の指導を実施後、会話の吹き替えを録画した。実験参加者を2つのグループに分け、一方のグループ(mirroring group)では、映画の登場人物の口や顔の動きに注目し、それを模倣(ミラーリング)するよう指導した。もう一方のグループ(Praat group)では音響分析ソフトウェアPraatを使用し、ピッチカープなどの音響信号に注目し、学生自らの発話のイントネーションカーブを映画の登場人物のものと一致させるよう指導した。 両グループともに改善が観測されたが、mirroringグループではイントネーションのピッチ幅(pitch range)が、Praatグループでは破裂音の母音開始時間(VOT)が映画の登場人物のものに近づいた。また、実験参加者に対して行った記述式アンケートでは、映画の吹き替えに対して好意的な意見が多く寄せられ、ペアで行う吹き替えという学習方法が学習者のやる気と取り組む姿勢に良い影響を与えることが示唆された。 本研究成果は国内外で開催された国際学会において発表し、参加者から貴重なフィードバックを得ることができた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナ禍により昨年度できなかった生成実験の実施、音声データの収集、各種音響パラメターの計測、分析を進めることができたが、収集したデータ量が充分とは言えないため。
|
今後の研究の推進方策 |
日本人英語学習者を対象とした生成実験を継続し、感情音声の習得状況と特徴を観測するため音声データを引き続き収集する。並行して、音声データの各種音響パラメターの計測、分析を進め、どのような指導法が感情音声のどの部分に効果があるのかを検証する。また、検証結果に基づき、感情表現能力を向上させるための学習法を提案する。
|