研究課題/領域番号 |
21K00794
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02100:外国語教育関連
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
酒井 優子 東海大学, 国際文化学部, 教授 (40780218)
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研究分担者 |
志村 昭暢 北海道教育大学, 教育学部, 教授 (60735405)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 英語学習 / 協働学習 / 社会文化理論 / トランス・ランゲージング / 母語の役割 / 英語教育 / コミュニケーションタスク / 協働的対話 / 意味交渉 / トランスランゲージング / オンライン上の会話 / 学習者の言語行為 / オンライン学習 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、オンラインによる英語の授業でのペアやグループワークにおける大学生英語学習者の協働的対話を観察する。学習者は活動のどの場面で、またどのような動機で日本語または英語をどのくらい使用しているのか、学習者のL2習熟度や、タスクの種類による違いを質的・量的に分析することで学習者の言語使用の実態を把握し、日本の英語教育において学習者の英語による発話を増やすための協働学習のあり方を調査する。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は,英語学習者が,協働学習型意思決定タスクに従事するときの学習者間の対話に着目し,L2習熟度の異なる学習者が作り出すpeer assistanceにおいて,どのような支援の方法を用いて相互行為を行っているのか質的に調査することである。さらに,学習者がどのような支援の方法にどの程度L1(母語)・L2(目標言語)を用いているのか調査することである。それによってpeer assistanceを作り出す支援の方法と使用言語との関係を調査し,協働的対話に見られる学習者のトランスリンガルな言語使用の実態を明らかにすることである。2022年度は,協働的対話を調査する本研究の論理的基盤となる社会文化理論と目標言語だけでなく母語も含めた全ての言語知識を総動員して言語と認知能力を高めるトランス・ランゲージングを日本の英語教育の文脈で応用できるのか,その可能性も探るため,トランス・ランゲージングの視点から学習者のやり取りを捉え調査した先行研究を整理した。 また,本研究はオンライン上での学習者の言語行為の調査を目的としている。Zoom上で,学習者同士のL2によるやり取りの実態を調査し,協働学習における彼らの言語行為がタスクの遂行においてどのように互いに支援し合っているのか,またその際のトランスリンガルが言語使用について分析する。L2習熟度の異なる大学生による意見交換タスクを4人1グループで行う場面での協働的対話を分析するが,データ収集の準備段階として,意見交換タスクとして悩み相談タスクの選定を行った。実際に現在ネット上にあるオーセンティックな教材から,トピックの親和性 (±familiarity)による学習者の行動の違いも調査するため,大学生にとって身近な話題(悩み)とそうでないものを選択し,データ収集に際しては,タスクの手順をまとめたインストラクションビデオを作成し実施した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究対象者である大学生英語学習者のオンライン上でのやり取りの協働的対話の音声データを収集するため,実際にネット上でアクセスできるオーセンティックな材料をもとにタスクを作成したが,語彙やトピック等適当なタスクの選定に時間を要した。また,収集した音声データのスクリプトを作成中であるが,正確に書き起こすために何度も聞き直す必要があり時間を要している。
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今後の研究の推進方策 |
採取したデータのスクリプトを完成させるため,音声を文字起こしするアプリ(Notta)を使用しているが,正確に記録するため,zoom上で録画した映像と照合し,修正があれば修正する。今後はトピックの違いや学習者の習熟度によって言語行動に違いがみられるか、先行研究の言語行動の分類を参考に分析を始める。
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