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第二言語における統語情報の予測処理に関する基礎的研究:視線逆行運動に焦点を置いて

研究課題

研究課題/領域番号 21K00799
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分02100:外国語教育関連
研究機関日本福祉大学

研究代表者

石田 知美  日本福祉大学, 全学教育センター, 准教授 (30747449)

研究分担者 梶浦 眞由美  名古屋市立大学, 大学院人間文化研究科, 准教授 (70849025)
杉浦 正利  名古屋大学, 人文学研究科, 教授 (80216308)
研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
キーワードアイトラッキング / 統語処理 / 第二言語学習者 / 文法性判断課題 / 自他動詞 / 予測能力 / 第二言語習得
研究開始時の研究の概要

英語学習者は、ある単語の後にどの単語がくるかという語のつながりや次にどのような文法構造がくるかを予測することが瞬時にできるか否かを、英文を読むときの視線の動きを計測することによって明らかにする。日本人英語学習者が、英文読解時に次々にインプットされる文法構造を予測できれば、特定の英単語に長い時間視線を注ぐことも、戻り読みする回数も少ないと予想される。さらに、英語母語話者と日本人英語学習者の違いは、英語力や英語にどれだけ触れているかが要因となって起こるのか検証する。

研究実績の概要

本研究は、日本人英語学習者(大学生・大学院生)を対象に、統語予測をしながら英文を読解する過程を視線計測装置を用いて、解明することを目的としている。特に動詞の自動詞と他動詞の下位範疇化情報を含む統語的ガーデンパス文を操作して、英語母語話者と日本人英語学習の差異を明らかにする。
昨年度までコロナ禍で実験参加者を効率的に募ることができず、実験が遅滞してきた。特に、英語母語話者のデータを収集するのが困難であった。視線計測装置を活用する以上、オンラインテストに切り替えることも不可能であった。それらを踏まえて、今年度の主要な実績は、英語母語話者20名、日本人英語学習24名のデータを収集できたことである。実験は、自他動詞確認テスト、文法性判断課題、英語力テスト、動詞の統語知識テスト、ワーキングメモリー測定テスト及び視線計測実験で構成されており、2時間ほどかかっている。まだ、十分な実験参与者の数が集まっていないことから詳細な分析は行っていないが、日本人英語学習は、多くの動詞に対する自他動詞の区別を的確にできないという結果が得られている。例えば、”wake”は他動詞でも自動詞でも使用できるが、わずか11%の学習者しかこの知識を明示的に持っていない。頻度の高い簡単な単語であっても、その統語知識については偏りがあることが明らかになっている。また、文法性判断課題実験からも、日本人英語学習者による自他動詞を正確に判断できていない傾向が見て取れる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

コロナ禍の影響で予測したより英語母語話者が大学に留学しなかったこともあり、実験協力者は減り、実験の遅滞は余儀なくされた。そのため、科研費助成事業の補助事業期間延長を申請し、1年の延長が承認された。2,3年前の状況と比較すれば、英語母語話者の留学生の数もかなり増えてきているが、オンデマンド授業が増えたこともあり、日本に留学していても大学に頻繁にくることがなくなるなど、パンデミックが落ち着いたと思われる昨今でも実験参加者を募るのには苦労している状況である。
現在までの進歩状況は、データを収集している過程であり、まだ詳細な分析結果を得られていない。本研究では、明示的な自他動詞の統語知識がある場合にその知識を利用して、英語母語話者と同様な言語処理(本研究の場合、視線の動き)を観察されるか否かを検証することに焦点が置かれている。また、明示的な知識がない場合は、どのような言語処理パターンが観察されるのかも調査する予定である。

今後の研究の推進方策

今年度は、コロナ禍の影響も薄れ留学生も以前のように来校したので、実験参加者を多く募集できると思ったが、予想以上に苦戦を強いられた。科研費助成事業の補助事業期間延長で1年の研究期間延長が承認されたので、来年度6月中には実験を終了し、すぐに分析に入る予定である。秋には学会発表を行い、フィードバックを受け、出来るだけ早く論文執筆を行い、投稿する。

報告書

(3件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 2021 実施状況報告書

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公開日: 2021-04-28   更新日: 2024-12-25  

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