研究課題/領域番号 |
21K00801
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02100:外国語教育関連
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研究機関 | 関西学院大学 |
研究代表者 |
前川 和美 関西学院大学, 産業研究所, 助教 (60844347)
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研究分担者 |
鳥越 隆士 兵庫教育大学, 学校教育研究科, 教授 (10183881)
武居 渡 金沢大学, 学校教育系, 教授 (70322112)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 日本手話 / ろう児 / 手話指導 / 絵本読み聞かせ / カリキュラム開発 / 難聴児 / 聴覚障害児 / ナチュラル・アプローチ / 手話 |
研究開始時の研究の概要 |
ろう者の約9割は聴こえる(以下、聴者)親をもつ。保護者は医療関係者や早期療育担当者などから相談機関や教育機関を紹介されるのが一般的であるが、病理的視点からの助言が多く、ろう者や手話へのアクセスが少ないのが現状である。 また、厚生労働省手話奉仕員養成講座カリキュラムは、手話通訳者養成のためのものが多く、家庭内で日常的に手話を必要とする親のニーズに適しているとは言い難い。そこで、本研究では、 1)乳幼児期のろう児をもつ聴者の親を対象とした手話指導カリキュラムの開発、2)そのカリキュラムを元にした手話指導、3)指導の様子の分析およびアンケート調査、4)その結果を元に手話指導カリキュラムの仕上げを行う。
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研究実績の概要 |
本研究は、2022年度に引き続き、ろう児をもつ聞こえる親への手話指導法に関して親のニーズに即した、手話指導カリキュラムの改善・開発を行うことを目的としている。 2023年度は、アメリカ東海岸へ渡航し、ろう・難聴児を対象とした教育施設の現地視察(学校見学)、及びろう・難聴児への早期介入を行っているろう学校、親の会代表者等にヒアリング調査を行った。調査の結果、アメリカでは、家庭訪問支援や親・きょうだいへの手話指導の支援がなされていた。 日本国内においては、聴覚障害児を対象とした教育施設4校、関東(埼玉)・東北(山形)・関西(奈良)・九州(鹿児島)のろう学校へ視察及びヒアリング調査を行った。手話指導を定期的に導入している学校と導入していない学校との差が大きく、人材確保や療育の専門性に問題があることが明らかになった。 アメリカや国内で調査したほとんどのろう学校において、聞こえる親を対象とした手話指導は、学内のろう・難聴当事者教員や地元の聴覚障害者協会会員、在校生のろう者の親がボランティアとして指導にあたっていることがわかった。また手話指導に対する特別な手当ての支給は統一されておらず、手話を言語として指導する知識を得ないまま指導にあたっている学校もあった。 教材については、日本手話のネイティブであるろう者が手話による絵本読み聞かせを動画にし、オンラインで見れるように作成していた。 以上の結果から、次年度はオンラインでの手話指導などの可能性も模索しながら、手話による絵本読み聞かせの教材を充実させること、手話指導カリキュラムのさらなる改善を目指したい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
国内外での手話指導現場の視察を行い、大いに参考になった。
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今後の研究の推進方策 |
絵本の手話語りに焦点をあて、絵本の手話語りを行ったデータ撮影を分析し、より充実したカリキュラム開発を試みる。
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