研究課題/領域番号 |
21K00812
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分03010:史学一般関連
|
研究機関 | 大東文化大学 |
研究代表者 |
山口 みどり 大東文化大学, 社会学部, 教授 (00384694)
|
研究分担者 |
後藤 絵美 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 助教 (10633050)
高 媛 駒澤大学, グローバル・メディア・スタディーズ学部, 教授 (20453566)
野中 葉 慶應義塾大学, 総合政策学部(藤沢), 准教授 (70648691)
李 美淑 東京大学, 大学院情報学環・学際情報学府, 准教授 (40767711)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
|
キーワード | ジェンダー / 憧れ / 感情史 / 新しい女性 / アジア / 近代 / 移動 / 帝国 / グローバル史 |
研究開始時の研究の概要 |
空間的・社会的移動の機会や異文化との接触、そして情報が激増した近代以降、人びとはそれまで以上に多様な「憧れ」を持ち、その憧れは社会のさまざまな特徴を構築していった。とくに、伝統的ジェンダー観に挑戦する「新しい女性」像は、各地に伝播し憧れと反発を招きながら地域の近代化に影響を与えた。本研究では、こうした観点から「憧れ」という感情が繋ぐ「下からのグローバル史」研究を試み、リンダ・コリーの「伝染」概念を援用しつつ「憧れ」が織りなした近代の姿を探る。
|
研究実績の概要 |
最終年度である2023年度における共同研究活動の第一の柱は、総括としての論文集の刊行であった。山口が研究協力者である中野嘉子氏と共に最終的な編集作業を進め、2023年6月に山口みどり, 中野嘉子編『憧れの感情史――アジアの近代と〈新しい女性〉』(作品社)として刊行することができた。 また、2024年2月に、国際シンポジウム形式のブックトーク「『フェミニズムズ』×『憧れの感情史』――'新しい女性たち’をめぐる夢と憧れ」を開催した。海外研究協力者ルーシー・デラップ氏(ケンブリッジ大学)の来日に合わせ、デラップ氏の近著『フェミニズムズ』(原著2020年;2023年10月に邦訳刊行)との合同書評会として企画したものであるが、2023年度の研究課題「憧れの「共振」」に対応するものでもあった。『フェミニズムズ』第1章が、さまざまな地域の「フェミニスト」たちの「夢」をテーマとしていることも踏まえ、両著における「新しい女性」たちの夢、憧れ、「フェミニズム」の共通点や違いを多角的に検討した。『フェミニズムズ』の示した「モザイク」としての複数の「フェミニズムズ」というテーマと、フェミニスト作家が「分かりにくい方法で表現」した夢こそが、歴史的な時間を超えて再びよみがえり、私たちに語りかけるとするデラップ報告は、本研究課題が2021年度に課題とした「憧れの「伝染」」、2022年度の課題「憧れの「潜伏」」における議論の積み重ねとも響き合うものであった。また井野瀬久美惠氏、長沢栄治氏からのコメントは、「憧れ」の誘発する別の感情や、憧れという感情の持つ「暴力性」にかんするもので、本研究が次の段階に進むうえで重要な示唆に富むものであった。ブックイベントには合計90名以上が参加し、総括にふさわしい議論をもつことができた。 研究期間全体の成果としては図書11、雑誌論文4、学会等報告11であった。
|