研究課題/領域番号 |
21K00816
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分03010:史学一般関連
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研究機関 | 神奈川大学 |
研究代表者 |
安室 知 神奈川大学, 国際日本学部, 教授 (60220159)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 民俗分布 / 民俗地図 / 皇国地誌 / 正月行事 / モノツクリ / 長野県史 / 餅なし正月 / 年取魚 / アゼマメ / 歴史方法論 |
研究開始時の研究の概要 |
これまで日本の民俗学が集積してきた膨大な民俗誌データを活用して民俗地図を作成し、かつそれを歴史方法論として提起することが本研究の目的となる。具体的には、そうして制作された高密度の民俗地図に、GIS(地理情報システム)等を利用して地理情報や経済情報など民俗以外のさまざまなデータと重ね合わせをおこなう。このことで、民俗分布について3次元的かつ多角的な解析を試み、民俗事象の平面的分布からだけでは知り得ないことが明らかとなる。さらに民俗地図に時間概念を導入することで、伝承の変遷過程や伝播の方向性など4次元的解析も可能となり、それにより新たな常民の歴史像を描くことができる。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、既存の民俗誌データを活用して民俗地図(民俗分布地図)を作成し、かつそれを歴史方法論として提起することにある。そのため、今年度も引き続き、研究遂行に不可欠な資料として、これまで自治体史編纂等に関わって作成された民俗誌データについて情報収集をおこなった。 第3年目となる2023年度は、過去において自治体史編纂に伴い多くの民俗誌が作成された中部地方と東北地方に絞って資料収集をおこなった。そのとき、とくに民俗誌データの中でも共通して記される傾向にある年中行事(正月習俗)に注目して民俗地図を作成し、その分析をおこなった。 とくに長野県においては、明治期になされた皇国地誌作成のための旧村単位の調査記録(約500地点)を入手し、それを昨年度入手した長野県史編纂に伴う民俗誌データ(430地点)と比較検討した。その結果として、限られた民俗事象(正月のモノツクリ行事)ではあるが、両者を併用することで、より詳細な民俗地図の分析が可能であることが分かった。この点は、次年度以降も引き続き、他の民俗事象についても適用可能かどうか検討することとする。 また、宮城県においては、1975・76年に国庫補助を得て作成された「宮城県民俗分布図」の基礎データを収集することができた。それは県内146地点に及ぶ民俗誌データであるが、その分析は次年度以降におこなう。なお、同様の「民俗分布図」は他県でも作成されているが、その基礎データは東北地方では宮城県以外にまだ見つかっていないため、次年度も引き続きその資料発掘に当たることとする。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
昨年度までコロナ禍で出張調査が十分におこなうことができなかったが、本年度に入りそれが緩和されたため、東北地方・中部地方を中心にフィールドワークをおこなうことでできた。ただし、まだ遅れた分を取り戻すには至っていない。
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今後の研究の推進方策 |
長野県および宮城県において統一的に作成された民俗誌データをすべて記録化したことで、今後はGIS(地理情報システム)を用いた精密な分析が可能となる。その具体的な手法を開拓するとともに、実際にGISを用いて民俗地図を作成してみることが次年度以降の目的となる。
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