研究課題/領域番号 |
21K00820
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分03010:史学一般関連
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
秦野 裕介 立命館大学, 文学部, 授業担当講師 (20719653)
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研究分担者 |
水野 章敏 函館工業高等専門学校, 物質環境工学科, 准教授 (10348500)
中村 和之 函館大学, 商学部, 教授 (80342434)
山本 けい子 函館工業高等専門学校, 一般系, 准教授 (90402221)
寺門 修 函館工業高等専門学校, 物質環境工学科, 准教授 (90402487)
三宅 俊彦 淑徳大学, 人文学部, 教授 (90424324)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | コシャマイン / 出土銭貨 / 室町幕府 / ガラス玉 / アイヌ / 栄光X線分析 / ビッグデータ / 古記録 / コシャマインの戦い / 遺物の成分分析 / 新羅之記録 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、コシャマインの戦いとその後の北海道の状況について以下の3点を解明することをめざす。文献史料では限界がある部分については、出土銭貨などの考古学資料の調査結果を対照する文理融合型の研究を実現し、研究の新しい局面を開く。 ① コシャマインの戦いの以前には、日本海側には余市、太平洋側にはむかわに和人の拠点があったことが『新羅之記録』に記されている。太平洋側の拠点は、いつまで維持されのたか。 ② コシャマインの戦いは同時期の日本列島の動乱の中にどう位置づけられるのか。 ③ 和人の勢力圏が、松前と天河の間に「集住」したのは本当か。本当だとすればそれはいつか。
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研究実績の概要 |
2023年度は文献史学分野では、南部氏と室町幕府の関係について考察していった。その成果を東北亜細亜国際文化学会(函館市、函館大学)で「室町幕府と南部氏の関係について」(報告者:秦野裕介)というテーマで発表した。従来室町幕府と深い関係にあったとされる南部氏だが、「関東大名南部」という『看聞日記』の言葉について、同書における「関東」「大名」という言葉を分析した結果、「関東」は鎌倉府及びその支配地域を指すこと、「大名」は重臣を指すことから、「関東大名」は鎌倉府の重臣を指していることを明らかにした。 考古学分野では賀張古銭の永楽通宝の成分分析が終わり、昨年までに完了した涌元古銭の永楽通宝の成分分析の結果との比較対象が取れる条件が整った。またアイヌのタマサイ(首飾り)に使われた銭貨の成分分析を行い、東北亜細亜国際文化学会(加古川市、兵庫大学)で「アイヌのタマサイ(首飾り)に使われた中国・日本銭貨」(報告者:中村和之)として報告し、それを文章化して『東北亜細亜文化学会 2023年春季聯合国際学術大会 東北アジア海域文化の異動と流動』に「アイヌのタマサイ(首飾り)に使われた中国・日本銭貨」として発表した。 考古学分野ではさらに三宅俊彦「中国の一括出土銭 ―宋代以降を中心に」『淑徳大学人文学部研究論集』第9号が発表された。出土銭貨について、現在分析中の出土銭貨をさらに広い地域の出土銭貨と比較検討するための準備作業としての意味がある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
実際には秦野担当の室町幕府の北方政策に関する研究は遅れている。その理由は、やはり史料が極端に少なく、関連するわずかな痕跡を丹念に追う必要があるからである。 それ以外の分野については、分析はほぼ終わり、その考察に移っている。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度は最終年度ということで、研究成果を公表し、まとめていくことに注力する。 古銭の分析については、永楽通宝の成分分析について、ビッグデータの手法を応用して出土場所ごとのばらつきを分析することが今年度の目標である。 文献史学分野では、とりあえずコシャマイン戦争に至るまでの本州と北海道の流通体制を支える室町幕府の体制の分析を行うこととなる。
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