• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 前のページに戻る

開国期・「虚像」による日本観の形成に関する基礎的研究:その方法論を中心に

研究課題

研究課題/領域番号 21K00824
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分03010:史学一般関連
研究機関神奈川県立歴史博物館

研究代表者

嶋村 元宏  神奈川県立歴史博物館, 学芸部, 主任学芸員 (40261193)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
キーワードイメージ / まなざし / ヴィルヘルム・ハイネ / 19世紀 / 画像 / 物語論 / メタヒストリー / 史料批判 / ヴェルヘルム・ハイネ / ヴィルへムル・ハイネ
研究開始時の研究の概要

ペリー艦隊随行画家ヴィルヘルム・ハイネが描いた約100点の画像を観賞用の美術作品としてではなく、歴史史料として位置づけ史料批判をおこない、また史学、絵画、写真を専門とする研究者により多角的に分析し、1点の画像において部分(パーツ)としては事実が描かれているものの、全体としては虚像であることを確認する。これにより、主に文献によっておこなわれてきた日本観研究に対し、新たな方法論を提示する。
また、ハイネが何を描き、描かなかったのか、すなわち欧米人に日本をどのように認識させようとしたのかという意図についても注目し、虚像である画像により、当時の欧米人がいかなる日本観を形成していったのかについて追究する。

研究実績の概要

外国人による叙述や画像という表象物を、無批判に客観的事実を示す史料として利用することは問題ではないか?〟、〝必ずしも正確な事実を伝えていない表象物、すなわち「虚像」によって欧米における日本観は形成されているのではないか?〟―これが本研究の核心をなす学術的「問い」である。この「問い」に応えるべく、本研究は、文字史料を中心に、対象とする時代や学術分野を問わず進められてきたこれまでの日本観研究に対し、画像史料を歴史史料として利用する新たな方法を提示することを目的としている。
3年計画の3年目にあたる本年度は、前年度までに積み残した主に函館周辺で描かれた画像の分析を実施し、データベースの充実を図った。また、主に下田、函館、那覇における現地調査を、現地の専門家の協力を得て実施した。その結果、描かれた場所について、さらに詳細な情報を得ることができた。函館では、函館山の山頂付近を描いた絵に見えた石造仏が現存しており、実際のものと描かれたものと具体的に比較することができた。那覇では、アメリカ使節が首里城の往復に利用した道路を踏査し、描かれ方に明らかな虚偽が含まれていることを明確にした。なお、下田には研究協力者にも参加していただき、対面で議論を深めることができた。また、昨年度同様、歴史理論及び方法論に関する文献を精読し、本研究への応用を図った。
ここまでの成果については、研究協力者とともに、2023年6月に大韓民国国立慶北大学(大邱)で開催された第8回Association for Asian Studies in Asiaにおいて報告した。報告テーマは、Views of Japan and Asia in the Illustrations of Perry's Expedition。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

COVID-19の影響により、1年目及び2年目に予定していた現地調査が行えなかったため、全体的に1年分の遅れが生じた。

今後の研究の推進方策

当初3年計画を予定していたが、COVID-19の影響により那覇、函館などの現地調査が実施できなかったこともあり、進捗に遅延が生じた。そのため、1年間研究期間を延長した。
当初3年目に計画していた通り、成果の取りまとめを中心に行う。特に、一般社会への成果還元として、成果内容を含んだ特別展「かながわへのまなざし」(神奈川県立歴史博物館)を開催するとともに、あわせて展覧会図録を発行する。

報告書

(3件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 2021 実施状況報告書
  • 研究成果

    (5件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 2件)

  • [雑誌論文] 別段風説書の中の戦争と平和2023

    • 著者名/発表者名
      嶋村元宏
    • 雑誌名

      青山史学

      巻: 41 ページ: 117-127

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 幕末における外国使節への接遇とまなざし:アメリカ・ペリー使節とハリス使節を中心に2022

    • 著者名/発表者名
      嶋村元宏
    • 雑誌名

      神奈川県立博物館研究報告―人文科学―

      巻: 49 ページ: 1-18

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] Views of Japan and Asia in the Illustrations of Perry's Expedition2023

    • 著者名/発表者名
      SHIMAMURA Motohiro
    • 学会等名
      Association for Asian Studies in Asia, Daegu
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] View of Japan and Asia in the Illusrtions of Perry's Expedition2023

    • 著者名/発表者名
      Motohiro SHIMAMURA
    • 学会等名
      Association for Asian Studies in Asia Canferance
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] 別段風説書の中の戦争と平和2022

    • 著者名/発表者名
      嶋村元宏
    • 学会等名
      青山学院大学総合研究所シンポジウム「別段風説書」にみるグローバリゼーション―19世紀の世界と日本
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書

URL: 

公開日: 2021-04-28   更新日: 2024-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi