研究課題/領域番号 |
21K00829
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分03020:日本史関連
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
三宅 明正 千葉大学, 大学院人文科学研究院, 名誉教授 (30174139)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 日本労働史 / アメリカにある史料 / labor history / modern Japan / 史料研究 / アメリカの史料 / 史料公開 / 日本近現代史 / 労働史 / 海外所蔵史料 |
研究開始時の研究の概要 |
日本近現代史研究は、とくに1970年代以降、多くの研究者が新規に多様な史資料を見いだしそれを用いることで、研究分野を広げるとともに実証水準を大きく高めてきた。本研究の代表者は、初めは国内の企業や労働団体の所蔵史料を探し出し利用して労働史研究を進め、1990年代からはとくにアメリカの各種文書館の史料を活用するうになった。本研究はアメリカの文書館にある日本労働史料を収集し、分類整理して解説を加え紹介し、国内で利用できるようにするものである。 この間研究者の世代交替に伴い、各人が収集してきた史料は、一部を除いて散逸が始まっている。本研究はそうした事態を回避しようとする試みの一つでもある。
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研究実績の概要 |
本研究を実施する三宅明正は、これまでに日本国内だけでなく海外にある日本労働史の史料を収集し、それらを用いて日本の労働の歴史的な特質解明を試みてきた。とくにアメリカ各地の文書館や労働機関所蔵の史料を探し出し、日本国内の原史料と併せて考察し、日本の労働者の「従業員」的な性格が、労使の相互作用によって歴史的に形成されてきたと主張した。これまでに三宅が収集した史料類は、その利用や実情に関して内外の研究者から問い合わされることが多々あった。本研究はこうした経緯を踏まえて、三宅の既収集の史料、ならびに新規に収集する史料を分類、整理の上電子媒体化し、法政大学大原社会問題研究所に寄託して、他者による利用を可能にしようとするものである。これによって日本の労働史ならびに周辺領域の研究の進展が期待できる。
2023年度は、前年度に引き続き、既収集の史料(ウェイン・ステイト大学労働都市文書館所蔵、スタンフォード大学フーバー研究所所蔵、トルーマン図書館など所蔵の既収集史料)の分類、整理と電子媒体化、ならびに関連文献によるそれらの検討を主にして遂行するとともに、ワシントンDCのカソリック大学文書館が所蔵するリチャード・デヴェラル(彼は占領下の日本に来てから各地で労働調査を実施し、その仕事が認められてGHQ/SCAP経済科学局労働課の労働教育係長のポストに就いた)文書を調査して、同文書の中心をなすNotes on Japan と題する労働調査記録全体の目録と、重要と思われる地域の文書を複写によって新規に収集した。 こうした作業をもとにして、占領史再検討した論稿と、最近のアメリカでの史料調査について考察した論稿を、研究成果の一部としてまとめ、発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナ(Covid19)の影響で長らく実施できなかったアメリカでの史料収集をアメリカのカソリック大学文書館に所蔵されているリチャード・デヴェラル文書に的を絞って実施した。収集自体は前年度に計画したとおりにすすめられたが、帰国後それらの分類、整理と、それ以外の既修集の史料の整理にコロナの影響で遅延がみられ、そのため全体の総括作業が滞ったため、「やや遅れている」と判断した。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度に調査を実施し新たに収集した史料の分類と整理をまとめ、その上で研究全体を総括する予定である。
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