研究課題/領域番号 |
21K00830
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分03020:日本史関連
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
上田 長生 金沢大学, 歴史言語文化学系, 准教授 (10599369)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 加賀藩 / 十村 / 御蔵 / 蔵宿 / 米穀流通 / 借知 / 御用留 / 御用止 / 十村制 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、加賀藩の米穀流通の結節点たる御蔵・蔵宿の実態を解明し、加賀藩の支配シス テムと領国社会の変容の双方を実態的に把握することで、藩社会論ひいては日本近世史像の 深化を目指すものである。 本研究は、加賀藩の藩主蔵入地の年貢が収納された御蔵(約70か所)と、給人(家臣)の知行地年貢が収納された蔵宿(約40か所)の実態と特質について、藩政文書や中間支配機構の十村文書等にみえる膨大な関係記事を網羅的に収集・分析し、年貢米の収納・保管・流通・消費の構造と実態を解明することで、米穀流通構造・運用システムの面から巨大藩の領国支配像を新たに描出するものである。
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研究実績の概要 |
令和4年度は、加賀藩領のうち能登国を中心に、各地の史料保存機関が所蔵する御蔵・蔵宿関係文書の網羅的調査・収集を進めた。合わせて、加賀国・能登国の関係文書も広く収集することとした。その結果、金沢市立玉川図書館近世史料館で10回、富山県立図書館で5回、高岡市福岡歴史民俗資料館で2回、羽咋市歴史民俗資料館で2回など、計28回の史料調査を実施し、約55,000コマの古文書の撮影をすることができた。 とりわけ、近世史料館所蔵の越中国砺波郡三清村十村の武部文庫の「御用留」に含まれる御蔵・蔵宿の日常的な運用に関わる記事を多く収集できた。また、富山県南砺市福野町で酒造業を営み、十村役も務めた山田家文書の新出古文書1000点あまりも発見し、調査に取りかかることができた。 また、令和4年度から、羽咋市歴史民俗資料館での調査に取り掛かり、十村加藤家文書・十村手代笠屋吉蔵文書などを撮影し始めたが、同館には十村桜井家文書なども所蔵されており、今後も関係史料を多く収集できる見通しが立った。また、近世史料館に保管されている金沢の蔵宿・鍋屋文書の整理作業も進め、次年度には目録化できる見通しである。 なお、研究成果の一端は、木越隆三編『加賀藩研究を切り拓くⅡ』(桂書房、2022年)に「加賀藩十村の「威権」と人事」として刊行したほか、次年度早々に、加賀藩研究ネットワーク例会で研究発表する予定であり、また、見瀬和雄編『中近世日本海沿岸地域の史的展開』(岩田書院、2023年)に加賀藩の借知(知行の借り上げ)が藩領社会に与えた影響を分析した論文を掲載するよる予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
令和4年度も、多くの史料所蔵機関で調査・文書撮影することができ、多くの文書画像データを収集できた。これは、当研究課題のみならず、今後の加賀藩領社会研究の基盤となると考えている。特に、新たに羽咋市歴史民俗資料館での調査を開始することができ、能登国の史料もより多く収集できる見通しが立ったことは、当研究課題を遂行する上で大きな意味を持つ。 また、加賀藩の中間支配機構である十村制(藩主蔵入地の年貢収納も担った)に関わる論文を公表でき、借知と藩領社会に関わる論文が公表できる見通しが立ったことから、さらに蔵宿と借知や、十村代官と御蔵に関わる次なる論文の見通しを明確に持つことができるようになったためである。
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今後の研究の推進方策 |
令和5年度は、旧越中国を中心にしながらも、旧加賀国・能登国に関わる文書群も引き続き、柔軟に調査・撮影を進める予定である。とりわけ、金沢市立玉川図書館近世史料館の武部文庫の「御用留」、氷見市立博物館の筒井文書の「御用留」、羽咋市歴史民俗資料館所蔵の十村加藤家文書などの調査を中心に行っていく。 令和5年度は、城下町金沢で加賀藩知行制・十村制を支えた番代についての研究報告を行う予定である。さらに、蔵宿と藩領社会、加賀藩御蔵の基礎的研究、幕末期の「年貢米俵拵仕法」、備考貯蓄である別除籾について、それぞれ史料分析を進め、研究報告・論文化を進めていく。いずれのテーマも、基礎となる史料はある程度収集済みであるので、その読解・データ化を急ぐ。
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