研究課題/領域番号 |
21K00842
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分03020:日本史関連
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
美川 圭 立命館大学, 文学部, 教授 (20212227)
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研究分担者 |
橋本 正俊 摂南大学, 国際学部, 教授 (30440655)
大山 和哉 同志社大学, 文学部, 助教 (50803087)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 明月記 / 藤原定家 / 後鳥羽上皇 / 西園寺公経 / 和歌 / 詩歌会 / 冷泉家 / 中世貴族社会 |
研究開始時の研究の概要 |
鎌倉前期の代表的な宮廷歌人である藤原定家の活動の政治的・文化的な意義を、その日記『明月記』の記事の厳密な読解から、詳細な索引の作成作業を進めつつ、具体的に解明する。その際にとくに重視するのは、定家の人間関係、京都および周辺での活動範囲、和歌集や古典文学の書写・校訂をはじめとする文化的な活動である。それ以外、定家の関心の広がりの対象となる文物をあきらかにする。それによって、貴族社会や天皇制の存続の要因を、中世政治史の視座から内在的に解明にする。そのため『明月記』に現れる人名や地名を徹底的に比定し、日本史と日本文学にまたがる実証研究を遂行する。
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研究実績の概要 |
『明月記』の人名、地名、事項名の索引作成を進めている。索引草案は研究協力者に作成をお願いしている。人名については『明月記』の記載の多くが官職名であるため、複雑な人名比定を行っている。地名についても、京都内外の御所、邸宅、居所などについて、中世京都都市史研究に依拠しながら、その比定を行っている。事項名については、古典籍、和歌、災害。動物などの名称を優先しているが、それ以外についても事項の学術的重要性について、研究者相互の研究会で深めている。そこでの議論をもとに、作業を進めている。 現在行っている作業部分は、後鳥羽院政期が終了したところであり、承久の乱後に入っている。最高権力者であった後鳥羽上皇、およびその周囲の人物の動きが、かなり明瞭となってきた。現在行っている承久の乱後では、後鳥羽配流後の西園寺公経中心の政治状況が明瞭になりつつある。人名と地名の索引によって、それらがより精密に判明するようになっている。事項の索引については、採集の範囲を決定するのがつねに困難である。日本史と日本文学双方の研究者が議論を進めつつ、具体的な作業を進めている。 とくに和歌関係の事項名については、日本文学の研究者の協力が必須となっている。この研究会を通じて、当該時期の政治から文化にわたる、さまざまな有益な研究成果が生まれつつある。 4月から7月、9月から2月まで、月1回、毎回会場を冷泉家時雨亭文庫(冷泉邸)で行う予定であった。令和3年度はコロナ蔓延によって対面での研究ができず、やむなくZoomで研究会を行ったが、令和4年度は1回の天候(大雨)以外は、対面で研究会を開催できた。対面での研究会のほうが、詳細に至る議論を行うことが可能で、あきらかに成果が大きくなった印象である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナ蔓延により、令和3年度対面で研究会がなかなか開催できなかった。次善策としてZoomで研究会を行ったが、さまざまな研究面での理解が深まらなかったことがあり、作業も進まなかった。令和4年度は対面での研究会ができたが、前年度の研究の遅れを取り戻してはいない。今後は順調に研究が進むように、新たな方策を考える必要がある。
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今後の研究の推進方策 |
毎回研究会を対面で行いたい。『明月記』に記載されている人名、地名の調査を進めていく。事項名の索引については、逐一その採集の範囲の議論を研究者間で行いつつ、作業を進めていく。その間に『明月記』の記事の精読も行っていく。また、いままでに入力したデータを有効に活用したいので、その方策を考えていきたい。
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