研究課題/領域番号 |
21K00845
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分03020:日本史関連
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研究機関 | 和歌山県立博物館 |
研究代表者 |
坂本 亮太 和歌山県立博物館, 学芸課, 学芸課長 (40435904)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 臨済宗法燈派 / 興国寺 / 無本覚心(法燈国師) / 慶雲至一(至一上人) / 孤峰覚明 / 紀伊半島 / 法燈国師(心地覚心) / 渓雲至一(至一上人) / 臨済宗法灯派 / 無本覚心(法灯国師) / 南北朝時代 / 禅僧 / 至一上人(志一上人) / 紀州鷲峰開山法灯円明国師之縁起 / 鷲峰開山法灯円明国師法語 / 紀伊 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、鎌倉時代末期~室町時代にかけて活動した臨済宗法灯派(無本覚心(法灯国師)を祖とする一派)の禅僧たちの動向について、当時の地域・政治・社会・文化との関わりのなかで捉え直そうとする試みである。法灯派禅僧については、史料的な制約が大きく、研究史上、十分な位置づけが与えられていない。そこでこの研究では、無本覚心とその弟子たちの系譜・活動について、関連故地の把握とともに、古文書・古記録のほか、行状記・肖像画賛・典籍奥書・法語など、可能な限り基礎的なデータを収集し、その事蹟を明らかにすることを第一の目的とする。そのうえで、他分野の成果にも留意しつつ、法灯派禅僧たちの活動について位置づけていく。
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研究成果の概要 |
無本覚心を祖とする臨済宗法燈派は鎌倉末~南北朝時代にかけて、律宗などとならび公武の篤い帰依を受け、早くより地方展開をしていた。そしてその弟子たちもまた、当初は南朝、後には北朝とも密接に関わり、当該期の政治・宗教・文化に大きな影響を与えた。それにも関わらず、史料が少ないこともあり、十分な研究がなされてない現状にある。 本研究においては、本山である興国寺、紀伊半島を中心に、鎌倉時代末~室町時代にかけて大きな勢力を誇った臨済宗法燈派禅僧の事績と展開について、古文書のみでなく、頂相などの美術工芸品も含めて、関連する資料の収集をし、足跡の復元をするとともに、基礎資料の提示をおこなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究においては、これまで十分に位置付けられてこなかった臨済宗法燈派禅僧の活動について、紀伊半島を中心に、古文書・古記録をはじめ僧伝資料・語録・美術工芸品・近世文書・地誌など各種資料を集約・公開し、派祖である法燈国師(無本覚心)に留まらず、その弟子たちについても位置付けた点で学術的に大きな意義がある。また臨済宗法燈派禅僧の活動の一モデルとして慶雲至一の足跡について、各種資料を駆使して示すことができたことも成果である。あわせて博物館展示として一般市民に対して社会還元を図り、また現在は失われた「法燈派」の存在と活動について、寺院関係者に提示できた点も社会的な意義があったと言えよう。
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