研究課題/領域番号 |
21K00847
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分03020:日本史関連
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研究機関 | 埼玉大学 |
研究代表者 |
清水 亮 埼玉大学, 教育学部, 准教授 (90451731)
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研究分担者 |
守田 逸人 香川大学, 教育学部, 教授 (10434250)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2025年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 現地踏査 / 聞き取り調査 / 近代絵図・地図 / 地理情報システム / 中世武家領主 / 拠点空間 / 現地調査 / 近現代史料 / 地頭 / 在来御家人 / 荘園 / 惣地頭ー小地頭制 / 関東御領 / 鎌倉幕府特権的支配層 / 地頭代 / 在来地頭・御家人 / 鎌倉幕府御家人重層配置体制 / 荘園制 / 地域社会 / 鎌倉幕府 / 預所 |
研究開始時の研究の概要 |
鎌倉幕府が荘園制や地域社会に適合し、幕府権力の担い手である御家人が社会各階層、特に地域社会に認証される論理・過程・類型を究明する。そして、そのために必要な史料上の事例を収集し、研究資源として社会に公開することを目指す。 そして、鎌倉幕府の上層部(多くは都市領主)・御家人でもある現地支配者(在来地頭・小地頭・地頭代官など)・地域社会の関係を明確にするため、適切なフィールドを選択して現地調査を実施し、とくに現地支配者と地域社会との関係を景観復元的方法によって具体的に追究する。これらの成果は、報告書・論文・ホームページ等によって公開し、研究資源として共有・再検証できるようにすることを目指す。
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研究実績の概要 |
2023年度は、5月以降、新型コロナウィルスが2類から5類に移行したため、それ以後の研究出張における現地での活動の幅が大きく広がった。したがって、御家人が重層的に配置された所領のうち、主な調査対象に定めた肥前国彼杵荘内福田村(長崎市福田地域)における現地調査を実施できた。 現地調査は2023年7月、2023年12月、2024年3月の3度実施し、そのうち、7月については長崎市福田本町(在来御家人福田氏の本拠の一つと想定される)において、自治体の当該地域担当セクション、地元の方々のご協力を得て聞き取り調査へのご対応、近現代資料の撮影実施、実地踏査のご案内などにご協力いただいた。また、入手した旧字図、明治期の福田村絵図と現状とを照合し、福田本町およびその周辺地域における旧字名・字界の推定復元を実施した。 その結果、福田村のうち、現・福田本町周辺地域における、武家領主福田氏の拠点空間については、室町期以前から戦国期における変遷の様相をおおむね図示、記述できる段階に至った。 一方、福田氏のもう一つの拠点地域と目される手熊町・柿泊町(および隣接する上浦町)についても、入手した旧字図、明治期の福田村絵図と現状とを照合し、旧字名・字界の推定復元を実施した。その結果、やはり、手熊・柿泊地域における福田氏の拠点空間について室町期以前から戦国期における変遷の様相を想定できる段階に至った。また、この作業の過程で旧字図のうち未入手部分があったことに気づき、それらを入手できた。2024年度は、当該地域の聞き取り調査によって自身の想定の当否などを確認し、福田氏の拠点空間について研究成果をまとめていきたい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度は、これまで遅れをとっていた「御家人が重層的に存在する所領」における武家領主拠点の現地調査を進めることができた。とはいえ、新型コロナウィルスが2類から5類に移行した5月以降、現地調査の計画・実施を進めたため、年度末に入るまえに、あと1、2回は現地調査を実施したかった(2023年度は、2023年に2回、2024年3月に1回実施)。しかし、2024年度中に既に予定している現地調査を実施すれば、当該地域(肥前国彼杵荘内福田村〈長崎市福田地域〉)における在来武家領主・小地頭福田氏のあり方を具体化する研究成果を出す見通しが立つと考えられる。 また、福田氏の関係文書であり、その評価がわかれる「熊野氏系図証文譲状写」(いわゆる「福田文書」)についても、その性格・成り立ちの理解について試行錯誤を重ねてきたが、それらについても一定の見通しを得ることができた。 一方、「御家人重層配置体制」の存在を示す事例の追加が顕著に進んだとはいえない。文書史料だけでなく、金石文・仏像銘・経典奥書などに見落としがある可能性、史料解釈や人名比定を再検討する余地がある。2024年度は自治体史の検索・再検索を中心に、これらの取り組みにおける課題の有無をチェックし、事例収集状況の再検証を行う。 以上、課題が皆無ではないが、とくに具体例である肥前国彼杵荘福田村故地現地調査の基盤となる旧字図の収集がほぼ完了したこと、福田村における旧字界の推定復元、現地調査の実施、それらに基づく考察が在来武家領主福田氏の拠点空間の復元を中心に大きく進んだこと、いわゆる「福田文書」の性格についても自分なりの見通しが概ねついたことをふまえ、「おおむね順調に進展している」とする。
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今後の研究の推進方策 |
(1)長崎市福田地域における旧字界の推定復元と現地調査を進める。5月に手熊・柿泊地域で現地調査を行う予定である。その後も、未調査の地域について旧字界の推定復元と現地調査を進める。 (2)前述した内容と重複するが、「御家人重層配置体制」の存在を示す事例の追加にむけて、文書史料だけでなく、金石文・仏像銘・経典奥書などの探索に見落としがある可能性、史料の読み込みがまだ不十分な可能性を考慮し、事例の収集・地域的分類・時期的分類・内容的分類を進める。 (3)「熊野氏系図証文譲状写」(いわゆる「福田文書」)について、研究報告、論文執筆に必要な可能性がある史料調査を終了後、早期に執筆を開始する。 (4)長崎市福田地域(肥前国彼杵荘福田村)小地頭福田氏の拠点空間に関する論文執筆を開始する。
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