研究課題/領域番号 |
21K00848
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分03020:日本史関連
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研究機関 | 一橋大学 |
研究代表者 |
加藤 圭木 一橋大学, 大学院社会学研究科, 准教授 (40732368)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 帝国 / 地域社会 / 歴史実践 / パブリックヒストリー / 朝鮮 / 植民地 / 市民社会 / 帝国日本 / 歴史教育 / 開発主義 / 公害 |
研究開始時の研究の概要 |
韓国をはじめとした東アジア諸国との間で、近代の戦争・植民地支配の認識をめぐって、葛藤が生じている。しかし、日本社会の人々、特に若い世代にとって日本の帝国経験は、リアリティの感じられない出来事とみなされている。そこで本研究は、帝国経験のリアリティを伝える歴史研究・歴史教育の方法を探求する。ここでいう歴史教育とは、教材開発はもちろんのこと、市民講座や市民に向けた出版活動までを念頭に置いたものである。
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研究成果の概要 |
本研究の目的は、近代日本の帝国経験のリアリティを伝えることができる歴史研究のあり方を模索するとともに、そうした課題に応える歴史教育の方法を開発することである。そのために、第一に、人びとが暮らした場である地域社会の歴史を解明する作業を進めてきた。その際、公害や軍事基地建設の問題などをとりあげた。その成果を加藤圭木『紙に描いた「日の丸」 足下から見る朝鮮支配』(岩波書店、2021年)などにまとめた。第二に、学生とともに市民向けの近代日朝関係史入門書を3冊制作し、それを市民社会に普及する取り組みを進めた。さらに、そうした学生との共同実践の意義について論文やシンポジウムを通じて発信することができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の成果は、前述の『紙に描いた「日の丸」』や3冊の入門書、さらには市民向けのセミナーの開催などの形で社会に還元することができた。『紙に描いた「日の丸」』では、実証研究の成果を踏まえつつ、地域や人びとの視点を重視し、下から植民地支配の歴史を描き出すことができた。また、3冊の入門書は、多くの読者を獲得し、大きな話題を呼んだ。帝国経験のリアリティを伝えることを目的とした本研究の成果が端的に現れたと評価することができるだろう。また、入門書制作の過程で、歴史研究・教育のあり方について議論を深めることができた。
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