研究課題/領域番号 |
21K00849
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分03020:日本史関連
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
笠井 純一 金沢大学, 人間社会研究域, 客員研究員 (80107119)
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研究分担者 |
村田 路人 神戸女子大学, 文学部, 教授 (40144414)
飯塚 一幸 大阪大学, 大学院人文学研究科(人文学専攻、芸術学専攻、日本学専攻), 教授 (50259892)
山田 和人 同志社大学, 研究開発推進機構, 名誉教授(嘱託研究員) (60191300)
塚原 康子 東京藝術大学, 音楽学部, 教授 (60202181)
岡田 万里子 桜美林大学, リベラルアーツ学群, 教授 (60298198)
橋爪 節也 大阪大学, 総合学術博物館, 名誉教授 (70180817)
田村 義也 成城大学, その他, 非常勤講師 (80262096)
笠井 津加佐 金沢大学, 人間社会研究域, 客員研究員 (90747114)
大西 秀紀 京都市立芸術大学, 日本伝統音楽研究センター, 客員研究員 (60469111)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 大阪北新地の芸能 / 花柳舞踊研究会 / 田中良 / 花柳流 / 名古屋西川流 / 舞踊「浮世絵」と舞踊「彦根屏風」 / 舞踊「住吉踊」 / 北陽演舞場 / 坪内逍遥 / 武原はん / 花街舞踊の水準 / 北新地永楽席 / 佐藤駒次郎 / 芸妓の在職年数 / 姉芸妓・妹芸妓 / 大阪四花街 / 芸能を媒介とする花街と社会との関係 / 第五回内国勧業博覧会余興踊 / 「住吉踊」 / 映像と音源による花街舞踊の資料的復元 / 大和屋技芸学校稽古表 / 佐藤駒次郎宛書信 / 大阪「春の踊」 / 花街:身分・業種を超えた交流の場 / 花街における絵画・映像・舞踊・音曲・劇場建築 / 「モノ」資料を駆使した実証的研究 |
研究開始時の研究の概要 |
近代大阪花街の歴史的研究は、その緒についたばかりである。昭和前期にいたる60余年の間、大阪花街は「大大阪」を支える存在となり、政治・文化・芸能に影響を与え続けた。 我々は平成30年度科研費を受け、多くの基礎的事実を明らかにした(以下「前科研」という)が、史料が「北の新地」に偏ったため、四花街の全貌解明には至っていない。 本研究は、対象を大阪花街全体に広げる。また新たな研究者を迎え、総合的研究を行う。芸能を媒介とする社会関係の形成を視点に、各花街の特色と位置づけ、他都市花街との比較を通して、戦前期大阪花街の実態を究明する。歴史研究だが文献史料に偏ることなく、「モノ」資料を駆使して実証研究を行う。
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研究実績の概要 |
本年度は、これまでの研究成果を2冊の出版物と1冊の報告書にまとめて刊行した。 ①.笠井純一・笠井津加佐編『「大大阪」が育んだ藝能―佐藤家所蔵 北陽浪花踊関係史料』(清文堂出版)は、現時点における大阪花街研究の成果をまとめたもので、佐藤家所蔵の北陽浪花踊「番組」「舞台下絵」「舞台写真」を集大成し、大阪花街における芸能を彷彿させる図版や番組の翻刻を掲げ、注記・参考史料等を付し、解題を兼ねる8編の論文(執筆者:塚原康子、山田和人、橋爪節也、大西秀紀、笠井純一、笠井津加佐)を収めた。これまで殆ど注目されて来なかった花街芸能の実態を、浮き彫りに出来たと自負している。 ②.笠井純一・岡田万里子・笠井津加佐編『花柳舞踊研究会上演記録―大阪花街に残された二世壽輔の軌跡』(同上)は、佐藤家史料に含まれる花柳舞踊研究会の「番組」を翻刻・注解した上、2編の解題論文(執筆者:岡田万里子、笠井純一・笠井津加佐)と索引(演目名・人名)を付した。花柳舞踊研究会の「番付」は、これまで翻刻・紹介されたことがなかったので、本書によって新舞踊運動の重要な一角が解明できるだけでなく、花街芸能との関係を追跡することも可能となった。 ③.科研報告書『戦前期大阪花街史料の基礎的研究』は「「住吉踊」の史料的再構成」「佐藤家史料仮目録」の2編を収める。前者は笠井津加佐が、淸元菊輔氏・佐藤惠(花柳祿美之)氏他の協力を得て、佐藤家に残された16mmフイルム、大西秀紀氏提供の音源などから、北陽浪花踊のうち「住吉踊」の史料的再構成がどこまで可能かを追究する試みである。 この他、本年度は研究会を2回行った。2023年7月28日、寺田詩麻氏「歌舞伎興行と松竹の進出」、同年9月30日、曽田めぐみ氏「南粋亭芳雪筆「大坂芝居風俗画 貼交屏風」の制作年代と描かれた役者に関する考察」で、今後の大阪花街研究に重要な示唆を与える報告であった。
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