研究課題/領域番号 |
21K00859
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分03020:日本史関連
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研究機関 | 同志社大学 |
研究代表者 |
森 亜紀子 同志社大学, 研究開発推進機構, 嘱託研究員 (30772727)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | ジェンダー / 沖縄近現代史 / ライフヒストリー / グローバルヒストリー / 境界史 / 南洋群島 / 帝国 / エゴドキュメント / 南洋群島引揚者 / 米軍統治期沖縄 / 首里人ネットワーク / 洋裁 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、首里旧士族・キリスト教徒・南洋群島引揚者という沖縄社会の境界に生きたある女性のライフヒストリーを主軸に据え、彼女が米軍統治下沖縄で展開した首里婦人洋裁講習所・首里婦人手芸同好会の活動を明らかにすることにより、沖縄近代史/戦後史を架橋し、境界を生きた女性たちの生活実践からみた新たな沖縄近現代史像を提起する。
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研究実績の概要 |
2023年度は、以下三つの研究活動を実施した。 第一に、近現代沖縄女性史および沖縄戦後史に関する文献調査を行い、占領期に洋裁学校を設立し、琉球人形作家としても社会的には名をはせた徳村光子という人物が、それらの研究の中では全く取り上げられていないことを確認した。その上で、近現代沖縄女性史および沖縄戦後史において徳村光子の存在をどのように位置づけられるのか、なぜ従来の歴史研究においては死角となっていたのかを分析した。 第二に、徳村光子が米軍占領期沖縄で行った「首里婦人手芸同好会」の活動実態を明らかにするために、7月23日~30日にかけて沖縄調査を行った。具体的には、那覇市歴史博物館にて徳村光子資料のうち特に「首里婦人手芸同好会」にかかわる史料の調査を行った。また、沖縄県公文書館および沖縄県立図書館において、占領期にUSCARがどのような社会政策(特に家政学、対女性政策)を行っていたのか、関連史料を調査した。 第三に、徳村光子の占領期沖縄での活動の前史として、南洋群島での植民地経験に着目した論文を執筆した。その成果として、オセアニアを専門とする文化人類学者との共著である風間計博・丹羽典生(編)『歴史と記憶の人類学―東南アジア・オセアニア島嶼部における戦争・移住・他者接触の経験―』(風響社、2024年)に「〈南洋群島〉という植民地空間における沖縄女性の生を辿る―「実践としての写真論」を手がかりに―」を発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナ感染症拡大防止のため、2021年度と2022年度に沖縄調査を行うことができなかったため、2023年度に沖縄調査を行うこととなった。これにより、本研究が主な分析対象とする那覇市歴史博物館所蔵の徳村光子資料を閲覧・分析する作業が2023年度(最終年度)までずれ込んだ。2024年度にもう一度沖縄調査を実施し、遅れを取り戻す。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度は、那覇市歴史博物館において、徳村光子資料のうち特に「首里婦人手芸同好会」以後の琉球人形作家としての活動について調査する。また、徳村光子のライフヒストリーについてより掘り下げた分析を行うため、娘さんなどご家族へのインタビューを実施する。さらに、徳村光子が、海外に暮らす沖縄系移民地で行った講演・人形作りワークショップについて調査を行い、徳村光子という女性のライフヒストリーと沖縄海外移民史がどのように交差するのかを検討する。
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