研究課題/領域番号 |
21K00861
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分03020:日本史関連
|
研究機関 | 大手前大学 |
研究代表者 |
岸本 香織 大手前大学, 付置研究所, 客員研究員 (40440903)
|
研究分担者 |
原口 志津子 奈良大学, 文学部, 教授 (40208666)
岡 佳子 大手前大学, 総合文化学部, 教授 (50278769)
高鳥 廉 北海道大学, 文学研究院, 専門研究員 (70899674)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
|
キーワード | 日本史 / 比丘尼御所 / 尼寺 / 女性 / 触留 |
研究開始時の研究の概要 |
尼門跡所蔵の古文書調査及び「総持院触留」を講読・翻刻して基盤研究を行うとともに、近世、近代の史料をもとに尼門跡の尼僧たちが行った寺院経営の実態、世俗の女性を中心にした支持者たちの姿を明確にする。それが尼門跡のみならず、一般の尼寺とも共通するかという問題を考え、戦後を生きた尼門跡の現在の住持が寺をいかに維持したかの聞き取り調査を実施する。近世、近代の尼門跡史料の分析を中心に、組織の研究者各々が領域と時代を超えた研究を進める。
|
研究実績の概要 |
本研究は、尼門跡所蔵の古文書調査を続け、尼寺文書研究会を開催し「総持院触留」を講読・翻刻して基盤研究を行うとともに、近世、近代の史料をもとに尼門跡の尼僧たちが行った寺院経営の実態、世俗の女性を中心にした支持者たちの姿を明確にする。それらが尼門跡のみならず、一般の尼寺とも共通するかという問題を考え、戦後を生きた尼門跡の現在の住持が寺をいかに維持したかの聞き取り調査を実施する。そうして、近世、近代の尼門跡史料の分析を中心に、領域と時代を超えた研究を行うことを目的としている。 令和4年度は、光照院調査を2回(9月4~6日及び2月10~12日)計6日間行った。今年度調査では、日記27冊分約7,300コマの撮影を行った。さらに、昨年度行った光照院門跡への聞き取り調査の内容を取りまとめて原稿化を進めている。同じく昨年度作成を終えた近代文書の調査書約180点についてもデータ整理を行い、目録化を進めている。 また尼寺文書研究会を9回(4月10日・5月29日・7月2日・7月31日・8月28日・10月9日・11月13日・12月25日・3月5日)開催した。慈受院蔵「総持院触留」は、朝廷・幕府から武家伝奏を通じて比丘尼御所に発給された触等を書き留めたものであり、尼門跡寺院では類例がない貴重な資料である。研究会では、触留帳の明和3年(1766)から明和5年(1768)の3冊分の翻刻を終えた。当該期は、現在において最後の女帝と言える後桜町天皇の在位期に当たり、極めて興味深い時期の資料となっている。 上記を踏まえた「尼門跡寺院経営の実態研究」や「尼門跡支持者の研究」及び「一般尼寺との比較研究」の個別研究に関しては、各自が研究を進めている。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
光照院文書調査では、過去に未調査のままであった近代文書の調査書作成を終え、目録化を進めている。日記の撮影も予定以上の27冊約7,300コマを撮影、極めて順調に進んでいる。但し、撮影データ整理作業は進めている途中である。令和3年度に実施した光照院門跡への聞き取り調査の内容も取りまとめて原稿化を進めている。 慈受院蔵「総持院触留」の翻刻についても、研究協力者が怪我などで研究会に参加できないこともあったが、各自で作業を進めることで、ほぼ予定通りに約3冊の翻刻を終え、順調に進んでいる。
|
今後の研究の推進方策 |
これまでの年度からに引き続き、光照院文書調査を行う。令和5年度にそれぞれ3日間程度を年2回、令和6年度は年1回を予定している。日記及び文書の撮影について、1回あたり2,500コマ前後の撮影を進める予定である。あわせて得浄明院の伏見誓寛氏への聞き取り調査も調整して進める。 また慈受院蔵「総持院触留」の翻刻についても、今後も予定通り、令和5年度に3冊の翻刻を行い、令和6年度には1冊の翻刻と編集作業を行って、報告書としてまとめる予定である。 尼寺の経営と支持者の実態に関する各自の研究課題は、個々に研究を深化し、最終年度には報告書にまとめる予定である。
|