研究課題/領域番号 |
21K00876
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分03020:日本史関連
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研究機関 | 千葉商科大学 |
研究代表者 |
趙 軍 千葉商科大学, 商経学部, 教授 (30301831)
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研究分担者 |
佐野 実 国士舘大学, 21世紀アジア学部, 准教授 (10880487)
金山 泰志 同朋大学, 文学部, 准教授 (40827482)
高綱 博文 日本大学, 通信教育部, 研究員 (90154799)
沈 潔 日本女子大学, 人間社会学部, 研究員 (20305808)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 中村弥六 / 布引丸事件 / フィリピン独立運動 / 孫文 / ポンセ / 高遠町 / アジア主義 / グローカル / グローカル・ヒストリー / 長野県伊那市高遠 / 未公開資料 |
研究開始時の研究の概要 |
「グローカル・ヒストリー」を目指す本研究は、第一に中村彌六の郷里である長野県伊那市という地域(ローカル)における史料調査研究に重点を置き、長野県伊那市の高遠町歴史博物館、高遠町図書館、伊那市創造館へ現地調査を行い、中村関係諸史料を整理・検証・公開を計画している。次にフィリピン独立運動から辛亥革命に至るアジア政治変動(グローバル)のなかでフィリピン独立運動や中国革命運動と中村との関係を明らかにするためフィリピンのアギナルド博物館、中国の第二歴史档案館、台湾の国史館等で史料調査を行う。本研究は中村の一次史料及び関係史料を整理・検証を通じて彼の「アジア主義者」としての実像を再構成することを目指す。
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研究実績の概要 |
2023年度には、本研究プロジェクトは次のような研究活動を行った。 ・布引丸事件とフィリピン独立運動との関連性を検証するため、コロナ禍の関係で延期されてきたフィリピンでの現地調査と資料収集を、9月1日から5日までの5日間実施した。参加者は趙、高綱、金山、佐野の4名で、主な見学先はマロロス(革命政府の首都)、フィリピン政治史博物館、ポンセ記念館、アギナルド記念館、リサール記念館、旧市街(城郭の中の史跡)、マニラホテル(戦時中日本軍史料)などで、諸施設で貴重な資料と証言などを手に入れた。 ・恒常的な研究例会では、4月24日(オンライン式)、6月19日(オンライン式)、7月1日(オンライン式)に開催し、フィリピンでの現地調査、高遠町での現地調査と資料整理、国際シンポジウムの開催、最終論文集の構成案、科研費の使用状況と新規申請などについて検討・討議した。また、ほぼ毎回の例会には、メンバーおよび分担者・協力者の研究発表もあり、様々な議論を広げた。 ・これまでの研究成果を公表するための情報発信については、①2022(令和4)年10月30日に開催されたシンポジウム「甦る中村弥六・布引丸事件」の内容をまとめて、『伊那路』(上伊那郷土研究会が毎月発行している郷土誌)に掲載することにした。全39ページに及ぶ今号(第68巻第5号)は、「中村弥六」特集号の形になっている。②「中村弥六研究会」ホームページ(https://www3.cuc.ac.jp/~zhao/yaroku1/NakamuraYaroku_index.html)の開設。「フィリピン独立運動と中国革命運動を支援した政治家・中村彌六に関する未公開史料を整理・公開し、中村の思想と行動を歴史学的に検証」は本ホームページの主旨であり、現在も内容を充実し続ける。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
①これまで多くの関連資料と当事者・関係者による証言などを集めてきたが、それを整理・検証にはもっと時間のかかる作業が必要である。 ②研究成果の社会への還元をめざし、最終の論文集を出版すると同時に中村弥六と布引丸事件に関心を持つ人々およびこれから研究者を目指す若者への情報発信と宣伝が必要であると考え、よりオープン的・効果的シンポジウムの開催について時間をかけて検討すべきと考えるため。
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今後の研究の推進方策 |
研究プロジェクトの集大成となる今年度では、次のような推進方策を考えている。 ・公開シンポジウムの開催:国士舘大学(町田)でパネルディスカッションを開催すると同時に高遠とネットで繋いて行う方向で検討中。その際、学術面ではグローバルヒストリー、ナショナルヒストリー、ローカルヒストリーの三層構造を視野に入れつつ、パブリックヒストリーの可能性を探る。時期については2024年秋に予定。 ・研究成果の公表:論文集については出版社と打診し、また、すでに安定的な読者層を擁する『伊那路』を科研費研究の中間報告とすることも検討中。 ・研究プロジェクトのホームページについては、研究代表者の退職のため独立させることとし、新しい業者に委託の方向性で検討。
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