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古代中世日本における人事昇進制度の体系的把握と日唐宋麗比較史的研究

研究課題

研究課題/領域番号 21K00880
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分03020:日本史関連
研究機関佛教大学

研究代表者

佐古 愛己  佛教大学, 歴史学部, 教授 (70425023)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2025年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2024年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
キーワード告身 / 位記 / 高麗 / 除目 / 後三条天皇 / 叙位 / 大間書 / 『除秘鈔』 / 人事昇進 / 官位 / 官僚 / 東アジア
研究開始時の研究の概要

国家や社会組織・集団の特質を分析する上で、人事昇進制度の検討は極めて重要である。しかしながら律令国家が転換する9・10世紀以降とりわけ日本中世史研究では、広範かつ長期的視野から人事昇進制度を体系的に把握する研究視点が希薄である。かかる現状を踏まえ、本研究は古代中世移行期の政治・社会構造と人事制度とを積極的に関係づける視座から、叙位除目制度の特徴、運用実態や人事に関わる慣行、さらに制度下にある人々の心性を解明してその後の日本社会に与えた影響を検討する。加えて9世紀以降の日唐宋麗比較史的視座から、前近代東アジアのなかで日本の人事諸制度・関連文書を俯瞰し、日本の人事制度の特質解明を目指す。

研究実績の概要

本研究は広範かつ長期的視野から人事昇進制度を体系的に把握するために、人事諸制度と社会編成・構成とを積極的に関係づける視座から、叙位除目制度の特徴、運用実態や人事に関わる慣行、さらに制度下にある人々の心性を解明することを目指している。また、日本の人事諸制度を東アジアの中で位置づけその特質解明を目指すため、唐・宋および律令を継受した高麗との比較検討を行うことも目標としている。
今年度の調査・研究は昨年度に引き続き以下の3点を中心に実施した。
①日本における古代中世移行期の政治・社会構造と人事制度との関係性を考察すべく、摂関・院政期の叙位・除目に関する研究、とりわけ摂関期から院政期への過渡期において、天皇・関白の人事権のかかわり方の変容について考察した。その結果の一部を、「御前儀除目における天皇と関白小考―摂関政治の終焉と後三条親政の意義―」というテーマで論文にまとめた。
②叙位・除目関係史料の蒐集・調査・研究に関しては、東京・千葉(宮内庁書陵部、東京大学史料編纂所、国文学研究資料館、国立歴史民俗博物館など)を訪れ所蔵史料の調査を実施した。また、その内容の一部を利用して論文執筆を行った。さらに、「今出川(菊亭)家文書」に関わる位記や叙位・除目関連文書を入手した。調査については、24年度の課題とする。
③唐・宋、高麗・朝鮮の人事に関する研究に関しては、告身や人事制度にかかわる文献や資料収集を行うとともに、パベル・スミルノフ氏が高麗の人事制度について考察し、「高麗時代の人事制度と考課」というテーマで、成果の一部を2023年度九州史学会(朝鮮学部会)にて口頭発表した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

コロナ禍で実施できなかった史料調査を実行できたこと、また史料蒐集および調査・考察がおおむね予定通り進み、結果の一部を論文、資料紹介、書評、学会での口頭発表等にて公表できたことから、上記評価とした。

今後の研究の推進方策

今年度に引き続き、東アジアのなかで日本の人事諸制度・関連文書を俯瞰し特質解明を目指すべく、律令制的枠組みが希薄化する9世紀以降から鎌倉期までの叙位・除目制度と貴族社会・官僚制度のあり方を検討するとともに、唐や律令を継受した高麗との比較という視点も意識して考察するため、当該地域の人事制度や告身に関する考察をさらに進めていく。
日本の人事制度の研究に関しては、①平安時代に成立した叙位・任官に関する諸制度に関して改めて、実態調査を進めつつ、②摂関期から院政期の天皇・上皇・摂関の叙位・除目への関与の変容について、今年度は後三条から白河朝、白河院政期以降に焦点を絞って考察し、③9世紀から13世紀初頭頃までの叙位・任官制度の全体像を捉え、日本の人事制度の特質を明らかにすることを目指す。④叙位・任官文書や儀式に関する研究として、「今出川(菊亭)家文書」の位記・叙位関連文書の調査に着手する。また、引き続き未刊行史料の閲覧、蒐集など、史料調査も積極的に進めていきたい。
東アジアの人事制度の研究に関しては、⑤昨年度に引き続き、高麗の人事制度の調査を進めるとともに、告身などを用いて、日本・唐・宋などとの比較検討を行う予定である。

報告書

(3件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 2021 実施状況報告書
  • 研究成果

    (7件)

すべて 2024 2023 2022 2021

すべて 雑誌論文 (3件) (うちオープンアクセス 2件) 学会発表 (2件) 図書 (2件)

  • [雑誌論文] 東坊城家蔵書目録(補遺)と東坊城任長2024

    • 著者名/発表者名
      佐古愛己
    • 雑誌名

      佛教大学歴史学部論集

      巻: 14 ページ: 77-90

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 書評 明治大学除目書刊行委員会編(田島公・末柄豊・牧野淳司・南保勝美)『明治大学図書館所蔵 三条西家本 除目書』2023

    • 著者名/発表者名
      佐古愛己
    • 雑誌名

      史学雑誌

      巻: 132-6 ページ: 1003-1014

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 『除秘鈔』にみる後三条天皇と除目小考-天皇自撰次第書と「天皇作法」-2022

    • 著者名/発表者名
      佐古愛己
    • 雑誌名

      立命館文学

      巻: 677 ページ: 543-556

    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
    • オープンアクセス
  • [学会発表] 紫式部が生きた平安貴族社会2024

    • 著者名/発表者名
      佐古愛己
    • 学会等名
      源氏物語ミュージアム連続講座
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 高麗時代の人事制度と考課2023

    • 著者名/発表者名
      パベル・スミルノフ
    • 学会等名
      2023年度九州史学会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [図書] 本郷真紹 監・山本崇・毛利憲一 編『日本古代の国家・王権と宗教』2024

    • 著者名/発表者名
      佐古愛己「御前儀除目における天皇と関白小考―摂関政治の終焉と後三条親政の意義―」
    • 総ページ数
      700
    • 出版者
      法蔵館
    • ISBN
      9784831862815
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [図書] 『シリーズ京都の中世史 第1巻 摂関政治から院政へ』2021

    • 著者名/発表者名
      美川圭・佐古愛己・辻浩和
    • 総ページ数
      276
    • 出版者
      吉川弘文館
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書

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公開日: 2021-04-28   更新日: 2024-12-25  

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