研究課題/領域番号 |
21K00889
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分03030:アジア史およびアフリカ史関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
宮下 遼 大阪大学, 大学院人文学研究科(外国学専攻、日本学専攻), 准教授 (00736069)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2025年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | トルコ文学 / オスマン帝国史 / トルコ文学(史) / 美学 / オスマン帝国 / トルコ / トルコ史 / イスラーム / 中東 / トルコ文化史 / 都市社会史 / イスタンブール都市史 |
研究開始時の研究の概要 |
文化とは、それを創出、集積し再生産して散布する中心と、その影響力が減衰しゆく周縁から成る文化圏を形成する。オスマン帝国期~トルコ共和国に至るまでのイスタンブールを中心とした文化圏は、19世紀に近代化を経てその規模と影響力を著しく減じた文化圏である。本研究は、覇権的文化圏が国民国家の国境線の内へ収縮する過程を「辺境化」と名付け、おもに言語文化の面から再考察しつつ、とくに人間の心性と生活習慣の双方に大きな影響を与えた「美意識」の変遷を考察する文化史研究である。
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研究実績の概要 |
2023年度は本研究「トルコにおける伝統的美意識の変遷と「辺境化」の過程についての文学(史)的基礎研究」のうち研究の第三段階である、近世末期から近代初期にかけての文学論についての書誌学的、および理論的分析を行う年度に位置づけられ、その成果を近世末期のオスマン語神秘主義文学の傑作として知られるシェイフ・ガーリプ作『美と愛』を臨詩の観点から分析するとともに、古典文学のリテラシーが喪失したトルコ共和国におけるオスマン語→現代トルコ語「翻訳」における特徴を抽出した「ディーワーン詩における信仰と創作:シェイフ・ガーリプ『美と愛』の翻訳を巡って」、および帝国末期を起点として21世紀に至る現代トルコ文学の展開を、文学史研究において広く受け入れられている認識にも配慮しつつ通覧した「現代トルコ文学の100年:正典的通史の試み」という2点の学術論文として刊行することができた。とくに後者に関しては、これまで日本語化されたことのないトルコ文学についての小通史として、当該研究分野の発展にも寄与するものと期待される。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
先述のとおり、2点の学術論文として規程の研究遂行項目を実施することができた。 その反面、本務校における同僚の死去に伴う学務負担の増加によって、当初夏季に予定していたイスタンブールへの海外調査を実施することができなかった。これについては2024年度夏季に順延して実施することで補う予定である。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度は、本研究の第四段階であるトルコ現代文学における美意識形成を民族主義(的)文学の形成期を主たる考察対象として窺う予定であり、当初予定したとおりに研究進捗状況にある。ない先述のとおり、2023年度に行い得なかったイスタンブールへの海外出張を実施する予定である。
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