研究課題/領域番号 |
21K00895
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分03030:アジア史およびアフリカ史関連
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研究機関 | 大東文化大学 |
研究代表者 |
小尾 孝夫 大東文化大学, 文学部, 准教授 (90526675)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | 建康 / 人口流動 / 東部ユーラシア / 都市空間 |
研究開始時の研究の概要 |
4世紀~6世紀、江南の六朝の主要な帝都である建康(現南京)には人口が集中し、南朝梁の時代には建康は100万を超える人口を擁する大都市に成長する。近年、6世紀においては、建康こそ東部ユーラシアの中心をなす国際都市であり、その影響は7世紀の東アジアにも色濃く及んでいたものと考えられるようになってきている。 本研究では、東アジア都城の一つの重要なモデルとなった建康に焦点を当て、その発展の契機となる人口増加を当該時代の人口の流動化と東部ユーラシアにおける建康の位置の高まりに因るものと考え、かかる要因によって形成された建康の都市空間の特徴を明らかにし、その全体像を復原する。
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研究実績の概要 |
これまで、過去の南京における六朝時代の墓葬の発掘情報を、『文物』『考古』等の考古雑誌等より収集してきたが、2022年度までに2022年までの情報を記録し終えた。2023年度は、引き続きそれら諸情報の整理・分析を進める。この作業を通じて、継続して六朝時代の各時代における建康の郊外の範囲を跡づけ、各時代の建康の都市空間の実相を明らかにしていく。 また当該年度は、10月22日に開催された大東文化大学漢学会秋季大会において「梁代建康の発展について」と題する研究発表を行うとともに、分担執筆した『多元的中華世界の形成―東アジアの「古代末期」―』臨川書店(2023年2月)を公表した。 なお、当該年度には、国内において大宰府およびその関連史跡の調査をも実施した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
前年度同様、コロナ禍により研究計画時に予定した南京調査を実施することができなかった。このため、南京における最新の考古学成果の情報等を十分に収集できず、建康城関連の施設や六朝墓の出土地の景観的な考察も行えなかった。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度は、これまでに収集した南京における六朝墓葬の諸情報の整理・分析を本格的に行っていく。この作業を通じて、当該年度においては、とくに東晋時代から南朝時代における建康の郊外の範囲を跡づけ、当該時代の建康の都市空間の実相を明らかにしていく。また、引き続き建康およびその周辺のどこに僑民のための僑州郡県が設置されたかや、建康に流入した僑民が建康のどのような地域に居住したかを解明していく。 なお、2023年度もコロナ禍の影響によりすぐには南京調査を行えないことを想定し、当該年度も南京の研究者に当地の六朝墓葬や建康関係遺跡の発掘情報等の提供を積極的に求めていく予定である。
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