研究課題/領域番号 |
21K00896
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分03030:アジア史およびアフリカ史関連
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研究機関 | 帝京大学 |
研究代表者 |
吉田 豊 帝京大学, 付置研究所, 教授 (30191620)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | ソグド語 / ソグド人 / シルクロード / 砕葉鎮 / 古銭学 / Ak Beshim遺跡 / 突騎施 / 西域 / ソグド人の歴史 / シルクロードのコイン / チュー河流域のソグド人都市 / アクベシム遺跡 / 砕葉鎭 / 玄奘 / シルクロード交易 / コイン / チュー川流域 / 中央アジア / ソグド / セミレチエ / バクトリア / アクベシム / 貨幣 |
研究開始時の研究の概要 |
イスラム化以前のシルクロード交易を独占していたソグド人は,自らの歴史を残さなかったため,その歴史は謎に包まれている.本研究は彼らが発行したコインの銘文を解読することによって,その歴史を解明することを目的としている.具体的には帝京大学文化財研究所がアクベシム遺跡(キルギス共和国)において発掘したコインの銘文を解読し,出土層位や出土状況を勘案しながら,この都市遺跡の6-9世紀の支配者など,遺跡が立地するソグド語圏の東端の歴史を解明することを目指す.そのためにサマルカンドを初めとするソグド本土で出土する貨幣や銘文との比較研究を行うが,その研究自体が,謎の多いソグドの歴史を明らかにする基礎作業になる.
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研究成果の概要 |
ソグドはウズベキスタン南部サマルカンドを中心とする地域のイスラム化以前の名称で,ソグド語はイラン系の言語で死語である.研究期間中ソグド語圏で発行されたソグド語の銘文のあるコインについて研究した.研究成果は主に3種類である.1つめは先行研究の消化であり,旧ソ連圏のロシア語で書かれた関連研究について調査し,必要な場合には日本語に翻訳して発表した.2つめは,現在私が所属する帝京大学文化財研究所が寄託を受けている個人のコレクションのコインの銘文や型式の解明である.その成果は論文にし現在印刷中である.3つめは,同研究所がキルギス共和国の遺跡で発掘したコインの研究で,それにより遺跡の年代比定に貢献した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ソグド人はシルクロードの交易の担い手であった.しかしソグド語圏で発行されたソグド語の銘文のあるコインの研究の伝統は日本では皆無に等しい.その結果シルクロードで出土した発掘品の展示会の展示目録の説明には多くの場合誤った記述が見られる.そのような誤謬を訂正するという大きな社会的意義がこの研究にはある.また私は帝京大学文化財研究所が現在発掘中のキルギス共和国のAk Beshim遺跡から発掘された60点のコインを研究し,銘文や型式から,発行者,発行地,発行時代を特定する研究を進めている.この研究によって当該のコインが出土した遺跡の位相の時代を特定できるという学術的な意義がある.
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